| 歴史 | 
                
                
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                  原産地は中国西部ではないかといわれています。暑さにも寒さにも強いのでアジア全域で作られ、日本へは朝鮮半島を経て伝えられ、奈良時代には既に栽培されていました。 
                  古代、ねぎは魔よけや祭事の飾りとして信仰との結びつきが深く、超科学的な薬効が信じられていたようです。その後も薬用野菜として、風邪の民間療法にねぎ湯で体を温めるなどの方法が伝わっています。 | 
                
                
                  | 品種 | 
                
                
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                  ねぎには、白い葉鞘部(ようしょうぶ)を食べる「根深ねぎ」と緑の葉を食べる「葉ねぎ」とがあります。 
                  「根深ねぎ」は主に東日本で栽培され、ねぎの中では最も丈が長く、主に白い部分を食べることから、長ねぎ、白ねぎとも呼ばれます。寒さに強いという特性があり、深いところまで土寄せして日に当たらないようにすることで白い部分を多くして栽培しています。 
                  一方、「葉ねぎ」は緑の葉の部分が長く細長いです。香りよくやわらかで薬味や料理の彩りに使用されます。青ねぎとも呼ばれ、関西以西では耕土が浅いので土寄せしないで作る葉ねぎを中心に栽培されています。 
                  その地域の気候に合った品種が食されていましたが、近年では地域に関係なく、使い道によってねぎの種類を選べるようになりました。どちらも周年出回っていますが、根深ねぎの旬は冬場の10月~翌年3月の鍋の季節。葉ねぎは春です。 
                   
                  ≪根深ねぎ≫ 長ねぎ・白ねぎ 
                   下仁田ねぎ 
                  群馬県下仁田町の特産品。白い葉鞘は長さ20cmほどで、太くて短い。生では辛みが強いため生食には向きませんが、加熱すると甘みが出ます。 
                   
                   赤ねぎ 
                  葉柄が赤紫色をしており、レッドポワローとも呼ばれます。赤紫色はアントシアニンというポリフェノールの一種。しかし、一皮むくと白くなっています。 
                   
                   金沢一本太ねぎ 
                  金沢の伝統野菜「加賀野菜」に認定されています。太いのにやわらかく寒くなるほど甘みが増します。すき焼きや鍋物には最高のねぎです。 詳しくは金沢一本太ねぎのページヘ。 
                   
                  ≪葉ねぎ≫ 青ねぎ・小ねぎ 
                   九条ねぎ 
                  京都が発祥の地。葉ねぎを代表する品種です。やわらかく、甘みがあります。 
                   
                   博多万能ねぎ 
                  福岡県のブランド。葉ねぎを若採りしたもので、やわらかい。和・洋・中華の食材に生でも調理しても使えることから、この名がつきました。 
                   
                   わけぎ 
                  ねぎと玉ねぎの種間雑種。よく枝分かれするので「分け葱(わけぎ)」と呼ばれています。クセが少なく独特の甘みがあり、ねぎよりも葉が細くてやわらかいので、サッと茹でて「ぬた」にすると、美味しさが引き立ちます。耐寒性が弱いため関西以西を中心に栽培されています。 
                   
                  あさつき 
                  ねぎの近親種。万能ねぎに似ていて若い葉を薬味などにするものと、東北や北海道などで生産される鱗茎が少し生長したものとがあります。市場では葉ねぎを若採りしたものをあさつきと呼ぶこともあります。暖地に多いわけぎに対し、寒冷地に多く、関東や東北地方が主産地。葉が細く、わけぎより辛みがあり薬味に最適です。 
                   
                   芽ねぎ 
                  品種ではなく、栽培方法による呼び名。種を一ヵ所に密生するように植え、5~8cmぐらいに生長した若い芽を収穫したものです。碗物の青みやツマなどに使用されます。 
                   
                   リーキ 
                  西洋品種の緑黄色野菜。リーキは英名で、フランス名のポワローからポロねぎと呼ばれることもあります。見た目は下仁田ねぎに似ていますが、葉の形がニラのように平らで、食べるのは根元の白い部分のみ。加熱調理すると、甘みが出てトロトロに。ヨーロッパでは煮込みやグラタン、スープなどで食されています。 | 
                
                
                  | 選び方  | 
                
                
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                  根深ねぎは白い部分が長く、光沢と弾力があり、葉の緑色が鮮やかで白い部分との境がはっきりしているものが新鮮です。 
                  葉葱は緑色の部分が長く、先端まで張りのあるものを選びましょう。黄ばんで乾燥しているものは避けましょう。  | 
                
                
                  | 保存法  | 
                
                
                   | 
                  泥付き・・・日陰の土中に埋めておくと自然の状態に近いため、長期保存が可能。 
                  泥付きでないもの・・・乾燥しないように新聞紙で包み、根を下にして立てて冷暗所に。 
                  洗ったもの・・・茎と葉に分けて根を切り、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に。 
                  葉ねぎも同様ですが、なるべく早く使いきりましょう。また、小口切りやみじん切りにしたものを小分けにし、冷凍しておくと便利。1ヵ月を目安に使い切りましょう。 | 
                
                
                  | 栄養価 | 
                
                
                   | 
                  古くから薬用野菜として利用され、白い葉鞘部にはビタミンCが多く、緑の部分は緑黄色野菜に分類され、ビタミンA、ビタミンK、カロテン、カルシウムなどが豊富に含まれています。緑の部分に多いセレンというミネラルには、活性酸素の発生と発ガンの抑制効果もあるといわれています。 
香り成分の硫化アリルは、交感神経を刺激して体温を上昇させ、血行促進作用があるほか、消化液の分泌を促したり、体内の余分な水分や老廃物を排除して血液の浄化にも役立っています。その他、肉や魚料理に使うと味を引き立てるだけでなく、消臭・殺菌効果もあります。  
                  切るとぬめりが出てきますが、これは甘みとやわらかさの素。煮ることで、甘くトロリとした食感になります。食物繊維も含まれているので、便秘の改善にも効果的。風邪やストレスで体が弱っているときは意識して食べるとよいでしょう。 | 
                
                
                  | ねぎの花 | 
                
                
                   | 
                  ねぎはある程度大きく育つと花を咲かせます。ねぎの花は坊主頭や擬宝珠を連想させるため「葱坊主」(ねぎぼうず)や「擬宝珠」(ぎぼし)と呼ばれています。坊主の出たねぎは、茎が固く空洞になるため、食用には向かなくなりますが、ひとつの花房で約250~400の花の集まりになっており、その後、種になります。 | 
                
                
                  | 調理のコツ  | 
                
                
                   | 
                  切り方  
斜め切り 
根深ねぎを2㎝厚さほどに斜めに切る方法で、大きく美しく見えます。切り口の面積が大きいので味がよくしみこみます。すき焼きや鍋物に向いています。 
 
                  白髪ねぎ 
根深ねぎを4cm長さに切り、縦に切り込みを入れて芯を取り除き、白い部分を1枚ずつはずします。内側の薄い膜を取り除き、1枚ずつ重ねて繊維に沿ってごく細くせん切りにし、水に放ちます。つまや薬味、サラダ向きです。 
 
                  小口切り 
端から薄く輪切りにする方法で、端のことを小口ということからこう呼ばれます。葉葱は適当な長さに切り、何本かまとめて軽く押さえ、端から薄く切り薬味や和え物に使います。刻みねぎとはこの小口切りのことです。ビンやタッパーに入れてきっちりふたをし、冷蔵庫に入れておくと2~3日持ちます。刻みねぎを布巾に包んで水にさらし、水気を絞ったものがさらしねぎです。辛みが抜けて麺類の薬味にぴったりです。 | 
                
                
                  | レシピ | 
                
                
                   | 
                  ねぎの豚バラ肉巻き  
材料(4人分) 
長ねぎ2本、豚バラ肉(薄切り)150g、ごま油大さじ1、七味唐辛子・塩各少々 
                  ①長ねぎは2本をそれぞれ4~5cmに切り分けます。これを芯にして、豚肉1枚を巻きつけます。 
                  ②フライパンにごま油を熱し、①を入れ、焼き色をつけながら中まで火を通します。 
                  ③焼き上がったら、食べやすい長さに切り、竹串に刺します。塩、七味唐辛子をふります。 
                  メモ 
巻きつけた豚肉がほどけないように、初めに巻き終わりの部分を下にしてフライパンで焼きます。こうすると端の部分がくっついてほどけません。七味唐辛子でなくてもポン酢やごまダレでいただいても美味しいです。 
 
                  ねぎと大根のマリネ 
                  材料(4人分) 
長ねぎ2本、大根10cm、オリーブ油1/2カップ、白ワインビネガー大さじ2、塩小さじ2、黒コショウ・パセリ各少々 
                  ①大根は5cm長さ、1.5cm幅の短冊切りにします。鍋に湯を入れて大根を加え、大根が少しやわらかくなるまで茹でます。長ねぎも大根と同じ長さに切ります。大根を取り出した湯に入れて、やわらかくなるまで茹でます。両方ともザルに取って水気を切ります。 
                  ②ボウルにオリーブ油、白ワインビネガー、塩、黒コショウを入れて泡たて器でかき混ぜ、ドレッシングを作ります。 
                  ③大根と長ねぎをドレッシングにしばらくつけ、味をしみ込ませます。器に盛り付けて、パセリを刻んでふります。 
メモ 
大根は少し歯ごたえが残る程度に茹でましょう。 |