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野菜の知識

だいこん
アブラナ科ダイコン属
radish(英)
大根の原産地は中央アジア、地中海沿岸であるといわれています。日本へはシルクロードを経て、中国から伝えられました。『古事記』には清白(スズシロ)の名で記され、女性の白い腕に例えた歌が知られています。現在もスズシロといえば春の七草として馴染みが深い野菜の一つです。
大根は用途が広く栽培が比較的簡単なため、各地で多くの品種が生まれ、生産量、消費量ともに日本が世界一を誇っています。また、春大根、夏大根、秋大根、冬大根と季節に合った品種が栽培されており、それぞれの味わいが楽しめます。春や夏は辛味が強く、体のほてりを鎮めてくれる効果があります。一方、冬大根は甘みが増しておでんなどの煮物に最適です。ちなみに明治後期の日本人は現在の3倍もの量の大根を食べていたというから驚きです。これは当時、薬が少なかったこともあり、食べる万能薬として重要視されていた証拠といえるでしょう。
品種
大根はアブラナ科の1年草です。大根の品種は100種類以上もあり、これは世界最多です。現在主流を占めている青首大根は、首の周りが緑色になることから名がつけられ、愛知県尾張地方の宮重大根を改良したものといわれています。特長として甘くやわらかい肉質は煮物にも生食にも向く万能型の大根です 。
選び方
葉の切り口がみずみずしく変色していないもの、ひげ根のあとがまっすぐ一直線に並び、その穴も小さいもので、皮につやと張りがあるものが新鮮です。また、肌が硬く、叩くと澄んだ音がするものがよいでしょう。
切り分けて売られているものは鮮度低下が早いので、なるべく丸ごと一本を購入して部位ごとに使い分けるほうがよいでしょう。
保存法
大根は94.5%が水分なので、この水分が蒸発しないように保存することが大切です。葉つきのものは葉茎から水分がどんどん蒸発するので、買ってきたらすぐに葉茎を切り分けます。根の部分はラップできっちりと包み込むか、野菜専用のポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。この時なるべく切り口を上にして立てておくとよいでしょう。
栄養価

カロテン、カルシウム、鉄分、ビタミンA、ビタミンCなど豊富に含まれています。

カルシウム、鉄分、ビタミンCの宝庫
澱粉質分解酵素ジアスターゼ、脂肪質分解酵素リパーゼ、タンパク質分解酵素プロテアーゼを含む。

効用
生大根の絞り汁(大根おろし)は弱った胃を回復させる効果がある。その他二日酔い、消化不良、食欲不振、便秘、風邪の初期症状、湿疹、口内炎、歯肉炎などに効果があります。
歯肉炎、口内炎、のどの痛みには大根の絞り汁で1日4~5回うがいをする。
風邪の症状には、大根のおろし汁に生姜の絞り汁とハチミツあるいは黒砂糖を少量加える。
冷え性、神経痛、アトピー性皮膚炎には、葉を干したものや切干大根を入浴剤としてお風呂に入れると効果があり、かつ体の芯まで温まります。
大根の加工商品
切干大根
天日にさらすことにより栄養価が生の大根よりも数段アップする健康食品。冬のビタミン剤として煮物などに利用されます。

干し大根干し大根のページを参照してください
レシピ
調理のコツ
皮のむき方
使う長さに切ったら皮むき器を使って皮をむくと便利です。尚、むいた皮は捨てないで、塩もみ漬けやしょうゆ漬けにして利用できます。おでんやふろふき大根のような煮物にする場合は食べやすい厚さの輪切りにしてから、厚めに皮をむくほうが仕上がりがきれいでアクの出方も少なくなります。

切り方
大根は縦方向に繊維が入っており、これを切るか残すかによって口当たりが変ってきます。シャキッとした歯ごたえを残す場合は繊維に沿って包丁を入れます。逆に繊維に垂直に切ると口当たりがソフトになります。

ひと味アップ
大根を煮るときは煮崩れしないように鋭角な切り口を削って丸みをつけます。これを面取りといい、大根に限らず煮物によく使う方法です。また、味を含ませるため、片面に十文字の切り込みを入れることを隠し包丁といいます。なお、盛り付けるときはこの面を下にして盛り付けます。

加熱
大根を煮るときは下茹でをしてアクやエグミを取ってから煮ます。だし昆布を敷いて米を大さじ1ほど加えて茹でるとうまみも増しますが、米のとぎ汁で茹でるのが最も一般的な方法です。これは米ぬかに含まれる酵素に大根をやわらかくする働きがあるためです。また、米のとぎ汁で茹でると若干の濃度が付き、アクを吸収しやすい利点があります。

紅白なます(酢の物)
材料(4人分)
大根1㎏、人参50g、塩小さじ2、A(酢2/3カップ、砂糖大さじ4)
①大根は皮をむいて5cm長さに切り、繊維に沿って縦のせん切りにします。人参は大根よりさらに細めのせん切りにします。
②①の大根をボウルに入れて塩小さじ1と3/4をふり、軽く混ぜます。その上に残りの塩をふった人参をのせ、4~5分おきます。
③②がしんなりしてきたら手で揉んで水分を十分に出し、水気をきつく絞ります。
④ボウルにAの調味料を入れてよく混ぜ合わせ、③を加えて400gの重しをのせて1時間おき、密閉容器に移します。

大根と厚揚げの煮物
材料(4人分)
大根600g、厚揚げ2枚、A(だし汁4と1/2カップ、酒大さじ3、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ1、塩小さじ1/3)塩適量
①大根は2cm厚さの半月切りにして皮をむき、面取りをします。大根の茎は中心側のやわらかい部分を流水で洗って水気を切ります。
②鍋に①の大根とたっぷりの水を入れ、塩一つまみを加えて強火にかけます。煮立ったら弱火にして竹串がスッと通るまで茹でます。
③大根の茎はたっぷりの熱湯に塩少々を加えた中で色よく茹でて3cm長さに切ります。
④厚揚げは熱湯を回しかけて油抜きをし、1枚を4~6等分の角切りにします。
⑤鍋に水気を切った②の大根と④の厚揚げを入れ、Aを加えて強火にかけます。煮立ったら弱めの中火にして、落し蓋をして20~30分コトコト煮ます。
⑥⑤の鍋に③の大根の茎を入れ、サッとひと煮して火を止め、煮汁ごと器に盛り付けます。
メモ
大根の下茹でには米のとぎ汁を使いますが、青首大根など、あまり癖のないものは塩少々を加えた中で茹でても構いません。
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