名の由来は、中国の三国時代に、食中毒にかかり肌の色が紫色に変色し、死に直面した少年が“しその葉”を食し、命が救われたことから、その葉を「紫蘇」(しそ)と呼ぶようになったといわれています。 |
種類 |
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しその種類は、葉が緑色をした青じそ(大葉)と、紫色をした赤じそに分けられます。漢字で「紫蘇」と表記することから本来の種は赤じそで、青じそは変種したものと考えられています。
青じそ[大葉]
爽快な香りがあり、刺身のツマ、天ぷらや麺類の薬味等に利用されます。
赤じそ
出回り時期は6~7月頃で、葉は紫色(紫がかった緑色)で品種により縮れ方が異なります。梅干しや紅しょうがの着色、漬け物等に利用されます。
芽じそ
しその若い芽を指します。青じその双葉を青芽、赤じその双葉を紫芽(むらめ)といいます。刺身のつまや薬味に使います。
花穂じそ
しその穂を、花が咲く前の蕾のうちに収穫したものです。薄紫色の色合いが美しく、刺身のつまや料理のあしらいに利用されます。
穂じそ
花が落ちた後、実が未熟なうちに、穂先を5~6cmに切り取って収穫したもので、やはり、刺身のツマや天ぷらなどに利用します。
しその実
花穂が成熟して実を結んだものです。指ではじいて香りを出し、香り付けや塩漬け、佃煮に加工されたりします。 |
紫蘇(しそ)の選び方 |
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色鮮やかで、葉がみずみずしく、葉先までピンとしていて、香りのよいものを選びましょう。 |
保存法 |
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水分を十分に保つことが、みずみずしく長持ちさせるポイントです。
鮮度が落ちると、香りが悪くなるので、できるだけ早く使うようにしましょう。 使わない分は、よく洗い、よく水をきって、1枚ずつラップに包んで冷蔵保存しておきます。せん切りにし、小分けにして冷凍保存させておくのも有効です。 |
栄養・効能 |
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しそは、赤いアントシアン系色素(シソニン)の有無によって、赤じそ系と青じそ系に分けられますが、カロテンが赤じそに少ないほかは、青じそと赤じその成分は似ています。βカロテン、ビタミンB1、B2、B6、ビタミンC、E、Kが多く、ナイアシンも含みます。カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛なども豊富です。
殺菌効果と食欲増進
しその独特の香り成分は、ペリルアルデヒドやリモネン、ピネンなどです。成分の半分以上を占めるペリルアルデヒドはシソアルデヒドとも呼ばれ、強い抗菌作用・防腐効果があります。刺身のつまや料理のあしらい、薬味に欠かせないのはこのためです。食中毒を予防するほか、消化酵素の分泌を促し、食欲を増進させて健胃作用もあります。
ガンの抑制
青じそにはβカロテンが豊富に含まれ、野菜の中でもトップクラスです。βカロテンは体内でビタミンAに変わり、視覚、聴覚、粘膜や皮膚を保護し、抵抗力も強くする働きがあります。抗酸化作用もありガン予防や老化予防に効果を発揮します。またガン予防作用のあるビタミンCも豊富です。
貧血予防
しそは鉄が多く、また鉄の吸収を助けるビタミンCも多く含むことから、貧血予防に有効です。
カリウムを多く含み、利尿・発汗を促して、水分代謝を良くするはたらきがあるので、水分の摂り過ぎを解消してくれます。また血中のアルコール分解を促進する働きに加え、アレルギー発症時の悪化原因の物質の量を抑制し、調整する働きがある為、アトピー・花粉症・喘息等のアレルギーによる諸症状を緩和する効果があるといわれています。 |
しその豆知識 |
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梅干しはなぜ赤くなる?
赤じその赤い色素はシソニンと呼ばれていますが、このシソニンは酸と反応して赤色に発色する性質があります。梅干しにはクエン酸が大量に含まれていて、このクエン酸とシソニンが反応して赤い色になります。
ゆかり
梅干しと一緒に漬けるか、塩漬けにした赤じその葉を、乾燥させ、細かく刻んで粉末にしたものです。ふりかけにもありますが、食欲を増進させ、血行をよくする効果があると考えられています。しその紫色を古今集で「縁(ゆかり)の色」と呼んだことからその名が付いたといわれています。 |
調理の前に |
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ボウルに水を張り、しばらくつけておき、軽く両面をこすりながら流水で洗ってから使いましょう。葉がシャキッとした状態に戻ります。
加熱する
青じそに多く含まれるβカロテンは、油との相性がよく、ビタミンAとしての吸収率が高まります。ですから青じそを巻いてから揚げると、肉や魚の臭みも取れ、一石二鳥です。
しその葉をきれいに揚げるには
「しその葉(大葉)の天ぷらがベトッとして美味しくなかった」、「うまく揚がらない」という経験はありませんか。パリッとした天ぷらにするには、葉の片側だけに衣をつけて揚げると水分が抜け出て上手に揚がります。油に入れるときには、衣がついた面を下にしましょう。 |