日本人が最も珍重する日本の秋の味覚を代表するキノコであり、香りの主成分はマツタケオール(オクテノール)や桂皮酸メチルなどで、秋の日本料理にこの香りは欠かせないものです。旨味成分はグアニル酸が主体となっています。栄養分は糖質やビタミンB2が多いほか、ビタミンB1、ビタミンD効果を持つエルゴステリンを含みます。水分は88%で、90%以上が普通である茸類の中では少なめとなっています。 |
産地 |
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国内生産地
以前は石川産(特に珠洲地区)が10月にかなりの出荷量がありましたが、赤松林の伐採、林道の整備による大気汚染、松喰い虫などによる虫害により、年々その生産量は減少しています。しかし、国内産においては能登産を中心に岩手、広島、長野、山口、和歌山、岡山などの地域から金沢市場に9月から11月上旬頃まで入荷があります。
また、石川県は松茸のシーズンになると、能登地方が産地であったことから、他県に比べ松茸の消費量が多く、業務関係はもちろん一般家庭で食されることの多い地域であります。
国外産地
毎年約3,000トンが日本国内に輸入されているが輸入量の多い産地は中国、韓国、カナダ、米国、メキシコなどです。その他トルコ、モロッコなどからも輸入されます。 |
松茸ができるまで |
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~松茸の出る場所は息子にも教えない~
まず傘のひだにできた胞子が地面に落ちて発芽し、細い菌糸を出します。菌糸は赤松の細い根につき、細胞の隙間に入って菌根を作り、木の養分を吸い取って成長します。菌糸と菌根は放射状に増殖し、やがて地上に子実体を出します。これが松茸であり、毎年出る場所が円状に広がっていきます。この輪が松茸のシロと呼ばれており、シロは松茸の敵になるような微生物の少ない痩せた土地に何十年も輪を広げます。
松茸は主に赤松につき、この赤松は元来痩せた土地を好み、どこででも育つので強そうだが病気には弱い。赤松はマツタケ菌に糖分などを与え、菌糸は土中の水分や養分を赤松に送ります。また菌糸は赤松の根を病気から守る、という共生関係もあります。
赤松には松茸以外にも色々な茸が菌根を作ります。赤松は松茸だけの物ではない、それでも赤松林の林齢50年頃までは敵になります。微生物が少ないのでシロを作る空き地がありシロはどんどん広がっていきます。このような状態を、のぼり山、と呼びます。しかし次第に他の茸も増え山が満員状態になると、新しいシロを作る余地がなくなります。林齢70年を過ぎると落ち葉もたまり微生物も増え、シロは消えていき、くだり山、となります。のぼり山状態を維持すればよい訳ですが、なかなかそうはいかず発生が少なくなってしまいます。 |
選び方 |
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淡茶褐色の傘が開いておらず、柄の引き締まったものが良品とされ、つぼみや中つぼみといわれているものや中開き等を選ぶと良い。傘の開いたものは香りが強く、松茸ご飯に向いており、料理に合った選び方をするのが望ましい。 |
保存法 |
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松茸は鮮度、香りが大切であり、なるべく早く食べるのが良いが、やむなく保存する場合は1本ずつラップをし、新聞紙などでくるんで冷凍すると良い。 数日間の保存は同様にラップしたものを2~3℃の冷蔵室にしまい、できるだけ乾燥させないように保管しましょう。 |
レシピ |
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濡らしたタオルなどで表面の汚れをサッと拭き取り、根の部分を切り落とします。
松茸のフリッター
材料(4人分)
松茸5~6本、A(卵1個、水大さじ31/2、片栗粉大さじ5、ごま油大さじ3)揚げ油適量、花椒(粉末でも可)・塩各少々
①松茸は石づきを削り落とし、ふきんで軽くふいてから縦4等分に裂いておきます。
②ボウルにAの卵を割りいれて溶きほぐし、水を加えて混ぜ合わせてから片栗粉とごま油を加えてよく混ぜ合わせます。
③②の衣の中に①の松茸をくぐらせながら、180℃に熱した揚げ油に入れ、ふんわりと薄いきつね色になるまで揚げて油を切ります。熱いうちに塩と粗くつぶした花椒(ホワジャオ)をふりかけ、器に盛り付けます。
メモ:天ぷらの油よりもややゆるめですが、揚げるとふっくらします。
焼き松茸の汁かけご飯
材料(4人分)
松茸4本、油揚げ1枚、A(だし汁〈市販品でも可〉カップ4、塩・薄口しょうゆ各小さじ1)ご飯〈炊きたて〉茶碗4杯分、すだちまたはゆず〈表皮をすりおろす〉1個分
①松茸はサッと洗って水気を拭き、石づきを削り落とします。
②焼き網を熱して①の松茸をのせ、転がしながら中火で香りよく焼き、手で細く裂きます。油揚げも同様にして焼き、縦半分に切って、さらに5㎜幅の短冊切りにします。
③鍋にAのだし汁を加えて火にかけ、煮立ったら調味料を加えてひと煮立ちさせます。
④茶碗にご飯を盛り付け、上に②の松茸と油揚げをのせ、③のつゆを注いで、すりおろしたすだちを散らします。
メモ:松茸は焼くと一層香りが立って食欲をそそります。土瓶蒸しや松茸ご飯よりも簡単で、松茸の風味が堪能できる上品な汁かけご飯は、お酒の後にぴったりです。 |