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野菜の知識
加賀まるいも
加賀地区特産の高級芋
数多くの種類が存在する山芋の中でも、今回は地元石川県の能美市根上地区、同寺井地区特産の加賀丸いものご紹介です。
11月になるとJA根上(能美市)、JA能美吉田支店(能美市)から丸いもが出荷されます。年末年始の贈答用に使われることが多く、高価な食材として人気があります。
特徴
山芋の中でもつくねいも捏芋に分類される加賀丸いもは、ごつごつとした形状で大きいものになると乳児の頭ほどの大きさになります。表皮が黒く、一見驚くこともありますが、味の良さも外見と同様なかなか忘れられないものです。
粘りが強いのが特徴の加賀丸いもは、日本料理をはじめ、高級和菓子・水産加工品などに利用されます。
料理方法は広く使われている長芋などと同じように使ってください。
山芋の種類
大きく分けると、長芋、大薯、自然薯の3種類で、農林水産省の統計種類でも、この3種類を山芋と定義しています。
1.長芋
芋のかたちから、長形のものを長芋、平らなものを銀杏芋、塊になったものを捏(つくね)芋と呼びます。

●長芋

●銀杏芋(いちょういも)
銀杏形、掌形、鉢形など扁平な形が特徴です。なめらかで粘りが強く、とろろに最適です。

●捏芋(つくねいも)
関西でよく出回る品種で、ゴツゴツとしたこぶしの形をしています。山芋の中では最も粘り気が強く、食感も濃厚です。すりおろしてとろろ汁にしたり、揚げ物にしたりしても美味しいです。土質を選び、乾燥を嫌うので、栽培が難しく、産地は限られます。高級料理の食材として珍重されます。薯蕷饅頭*などの和菓子の原料になるのもこの種類です。
*薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)
高級蒸し饅頭で、上用まんじゅうともいいます。皮だねは、上用粉を主として、砂糖と山芋を加えて練り上げます。山芋は膨張剤の役目を果たします。

2.大薯
形は塊状のものや扇形、紡錘形、長形、色は灰色や赤紫色など。日本で栽培されているのは、塊状または紡錘形で灰白色のものが多いようです。市場にはほとんど出ません。

3.自然薯
保存法
新聞紙に包んで、風通しのよい所や冷暗所におくと、比較的長く保存できます。少し湿らせたおがくずや土に埋めると、更に長期保存できます。
切ったものは切り口から水分が失われて、変色していくので、切り口にラップをして冷蔵庫で保存してください。
すりおろしたものや千切りしたものは、冷凍保存することができます。
栄養・効能
澱粉の消化酵素であるアミラーゼの他に、多くの消化酵素とタンパク質が含まれています。
ビタミンB1、C、Eを含みます。カリウムを豊富に含み、血圧を下げる効果があります。
主成分は炭水化物で、デンプン、マンナンを多く含みます。デンプン質のものは生食での消化が悪いので、加熱して食べる事が多いのですが、山芋には炭水化物分解酵素アミラーゼが大根の数倍も含まれており、このアミラーゼがでんぷんの消化を助けてくれます。
山芋はデンプンを効率良く消化吸収できるので、食欲の無い時などに食べるとよいでしょう。また、胃炎を鎮めてくれるので、胃弱の人も安心して食べられます。但し、加熱しすぎるとアミラーゼの効果がなくなってしまうので注意が必要です。山芋には食物繊維が豊富な上に、カリウムも多く含まれているため、大腸ガンや高血圧の予防、また、便秘の解消にも効果があります。
料理法
丸いもはすべりやすいので、注意して厚めに皮をむいてください。
おろす場合は、おろし金で丁寧にすりおろして下さい。
おろして“とろろ”にするときのポイント
目の細かいおろし金を使うか、すり鉢ですりおろすと、きめが細かく舌ざわりもなめらかになります。
芋の繊維をよくつぶすことで、消化酵素のアミラーゼの働きも良くなります。

手がかゆくなったら
山芋の皮をむいたり擦ったりすると手がかゆくなる時があります。この原因は皮付近に存在していたシュウ酸カルシウムの針状の結晶が壊されてバラバラになり、手や口などに刺さることによります。シュウ酸カルシウムは酸に弱いという性質を持っていますので、酢水につけてから料理するとかゆみはおこりません。また、かゆみがおこったときには、レモン汁をかゆくなっている部分につけたり、食酢を薄めたもので軽く洗い流すとかゆみがおさまります。
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