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野菜の知識

セロリ
セリ科オランダミツバ属
celery(英)
南ヨーロッパ原産の1、2年草本です。紀元前5世紀から薬用や臭い消しとして利用されてきました。食用として使われるようになったのは17世紀のイタリアで、その後フランス、イギリスに広まり改良が行われるようになりました。日本へは16世紀末、加藤清正が朝鮮から持ち帰ったのが始めといわれ、「清正人参」と呼ばれていました。
野菜として食べられるようになったのは明治になってからですが、レストランなどではあまり普及しませんでした。品種改良で香りが和らいだのと、健康食品ブームで需要が伸び、現在では周年栽培されています。セロリは独特の香気をもつ揮発性の精油を含み、肉の臭みを消す働きがあります。古代エジプトでは、この強い芳香が死体の悪臭を取り除くとして葬礼用に使われていました。古代ギリシャ、ローマでは整腸、強壮作用。また古代ギリシャの祭りの際には部屋に飾り、競技の優勝者には月桂樹ではなくセロリの花輪を贈ったといわれています。
品種
セロリは葉の色によって、黄色種、緑色種、中間種に分けられ、日本ではかつて黄色種が利用されていました。黄色種は茎の幅が広くて厚みが少なく、繊維質が多いのが特徴です。最近は黄色種と緑色種の特徴を取り入れてアメリカで育成された中間種が主体となっています。茎が肉厚で太く、ソフトな香りが特徴です。
茎葉が濃緑色で茎の肉が厚く、繊維質が少なくてセロリ独特の芳香が強いのが緑色種の特色です。セロリ消費世界一のアメリカでは香りの強いグリーン系に人気があります。近年では日本でもグリーン系の利用が次第に増えてきています。
選び方
香り強く、葉が青々として張りとつやがあり、茎が太くて長く厚みがあって「の」字に巻き込んでいるものがよいでしょう。節は凸凹のはっきりしているものが新鮮です。
株の根元が割れているもの、葉が黄色に変色しているのは避けましょう。また、茎を押してみてへこむものは中に「す」が立っているので避けましょう。
保存法
茎と葉を切り離して新聞紙に包み、立てた状態で冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。茎がしんなりしたら根元を水につけておくとピンとします。目安は10~15日ですが、新鮮なうちに食べましょう。
栄養価
軟化栽培した葉柄を食用にしますが、白い部分に比べ緑の部分にはカロテンが2倍近くも含まれています。薬用植物としても用いられており、鎮静作用や血液循環、新陳代謝の活性化、ストレス抵抗に効果があります。
カルシウム、ビタミンC、また食物繊維が豊富で胃の消化を助け、整腸、コレステロールの低下に効果があります。
食べ方
サラダやスープ煮やグラタンの具にすればセロリ嫌いにもおすすめ。ご飯に合う食べ方は、茎はキンピラや中華風炒めにしてはいかがですか。栄養価の高い葉は、バターで炒めれば簡単に美味しく食べられます。天ぷらや佃煮などにアレンジできます。

葉の料理法
ブーケガルニ(香草の束:幾種類もの香草を束ね、スープや煮込み料理の香り付けに使う)として利用したり、ぬか漬けや刻んで汁の実や佃煮に。
レシピ
料理のコツ
筋取り
セロリの葉は新鮮なものほど筋が硬く、しっかりしています。生で食べるときも火を通すときも、筋を取り除いて調理するのが美味しく食べるコツ。茎を1本ずつ切り離し、節ごとに切り、切り口に包丁を当てて節を手前に引くようにして取ります。根元のほうは刃先で削ぐようにして筋を取りましょう。
冷水につける
筋取りした後、冷水にしばらくつけておくと、シャキッとなり歯触りの良さが生きてきます。冷蔵庫で冷やしても良いでしょう。

切り方
歯触りを生かすにはスティック状に切るのがベストです。筋に沿って太さをそろえて切ります。細いものは薄い輪切りにしてサラダに利用しましょう。歯触りを残したい時は繊維に沿って縦に切るとよいでしょう。
サラダに加えるとアクセントになり、独特の香りも気にならなくなって、セロリの嫌いな人も抵抗なく食べられます。煮込み料理のときは煮崩れしないように繊維に沿って縦に切ります。中華料理の炒め物などにはシャキシャキ感が残って、しかも手早く火が通る斜め薄切りが向いています。

セロリのカナッペ
材料(4人分)
セロリ2本、オイルサーディン(鰯)8尾、マヨネーズ大さじ4、塩・コショウ各少々、パセリ(みじん切り)少々
①セロリは葉と枝を取ります。葉は後で飾りに2~3枚使うので残しておきます。茎は筋を除き、5cm長さに切ります。
②オイルサーディンはザルに上げて油分を切り、ボウルに入れてフォークなどで細かくつぶします。マヨネーズ、塩、コショウを加えて練り混ぜます。
③セロリのくぼみに②のオイルサーディンを詰めます。器にセロリを盛り付け、セロリの葉を添え、パセリのみじん切りを散らします。 メモ好みでレモン汁をふると、さっぱりした味になります。

鮭とセロリの中華炒め
材料(4人分)
セロリ2本、生鮭(切り身)3切れ、きくらげ10枚、玉葱1/2個
A(塩小さじ1/3、コショウ少々、片栗粉大さじ1と1/2、ごま油大さじ1)
B(塩小さじ1/2、ごま油大さじ1)
C(赤唐辛子〈みじん切り〉1本分、酒・砂糖・しょうゆ・しょうが汁・酢各大さじ1、顆粒鶏がらスープの素小さじ2)
①きくらげは水につけて戻します。
②鮭は3~4cmの角切りにし、Aの塩、コショウ、片栗粉をまぶし、ごま油をかけます。
③セロリは筋を除いて斜め切り、玉葱は薄切りにします。これをボウルに入れ、きくらげ、Bを混ぜます。
④電子レンジ用の耐熱皿に③の野菜を広げ、②の鮭をのせます。ボウルにCの材料を入れて混ぜ、鮭の上にかけます。ラップをしないで6~7分加熱します。
メモ:
鮭は片栗粉をふってからごま油をかけると、仕上がりの際に縮みません。また、セロリと玉葱は鮭とほぼ同じ大きさに切り、レンジでの加熱むらを防ぎます。カラリと仕上げたいときは、ラップをしないで加熱し、加熱後すぐに混ぜます。
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