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野菜の知識

にんじん
セリ科ニンジン属
carrot(英)
原産国はアフガニスタンです。ヨーロッパに伝播した西洋系、アジア東方へ伝わった東洋系に分けられます。日本へは17世紀に東洋系の人参が中国から伝わりました。西洋系の人参が日本へ伝わるのは19世紀になってからです。現在の流通の大半は西洋系の人参となっており、東洋系の人参は金時人参(京人参)が唯一日本で残っている品種になります。
人参という呼び名
中国から日本へ伝播したときは胡蘿蔔(こらふく)という名でしたが、既に日本にあった朝鮮人参と根の形が似ていたため、区別して芹人参と呼ばれるようになりました。芹のような香りがあり、味が良かったためそう呼ばれるようになりました。
ちなみに朝鮮人参はウコギ科の多年草ですから、種類はまったくの別物なのです。
人参の色
人参は橙色をしていますが、これは人参に含まれるカロテン色素によるものです。カロテンは体内でビタミンAに変化しますので、非常に栄養価の高い野菜といえるでしょう。
品種
日本で最もポピュラーな品種は西洋系の五寸人参という品種です。しかし一言で五寸人参といっても各地の気候に合わせて品種改良が行われているため、その種類はさまざまです。
平均的な根の長さは15~20cmです。
国分大長人参
西洋系の中で最も長い人参の代表です。60~70cmにもなります。甘みが強いのが特徴ですが、栽培に手間がかかるため生産量はごくわずかになっています。
金時人参
関西以西の秋冬用人参です。30cm位の長さで細長く、鮮やかな紅色をしています。正月のおせち料理に使われることが多いです。肉質がやわらかく、醤油との相性が良いため、煮物に最適です。金沢市中央卸売市場では10月半ば~2月一杯岡山産、香川産等を入荷・販売しています。
葉人参
人参の若い葉を摘んだもので、おひたしや和え物に使われます。春(4~5月)秋(9月)に出回りますが、春物はやわらかく天ぷらにすると非常においしいです。薬味としても利用できます。
選び方
西洋系の人参は皮の色が全体に鮮やかでつやがあるものが良品です。茎の付け根が細いものほど芯が細いので味が良いと考えられます。茎の付け根が黒く変色したものや新芽が出ているものは避けましょう。
保存法
人参には蒸れによる水気や湿気は禁物です。新聞紙に包んで冷暗所に置くのが一番効果的ですが、冷蔵庫に入れる場合はラップで包んだり、ポリ袋に入れて保存するのが良いでしょう。この場合、袋内に水気が発生したら、水気を取って早めに使うことをお勧めします。
栄養価
人参はビタミンAの素となるカロテンの含有量が緑黄色野菜の中でもトップクラスです。ビタミンAは脂溶性で水に溶けず、熱に強い特徴を持っています。カロテンは吸収率が悪いですが、油と組み合わせると吸収率が大幅にアップします。
人参の場合では生で摂ると吸収率は8%と低いのに対し、煮ると30%、油で炒めたり、揚げたりすると50~70%と高くなります。ただ、人参はビタミンC酸化酵素のアスコルビナーゼを含んでいます。生でビタミンC豊富な野菜と組み合わせて摂るとビタミンCを酸化させてしまうので、加熱することによりビタミンC酸化酵素の働きを抑制するのが良いでしょう。
レシピ
調理法
皮のむき方:
1本まるごと使う場合には、皮むき器が便利です。一般的には4~5cm長さに切り、包丁でむきます。
加熱:
人参の栄養価を失わせずに摂るには、油炒めやバター煮が最適ですが、煮物の場合は煮汁の量がポイントになります。鍋に入れた人参にかぶるくらいで煮始め、煮立ったら落し蓋をして煮ます。
茹でる場合は電子レンジを使用してもO.K。大きさを揃えて耐熱容器に並べラップをして加熱します。目安は100gで3~4分です。

人参のサラダ~シナモン風味~
材料(4人分)
人参240g、干しあんず12個、A(サラダ油大さじ2、酢大さじ1.5、砂糖小さじ2、塩・コショウ・シナモン(粉末)各少々)
①人参は皮をむいて薄い輪切りにし、たっぷりの熱湯に入れてさっと茹で、ザルにとって水気を切ります。
②干しあんずは2~3mm厚さに切ります。
③ボウルにAの調味料を入れてよく混ぜ合わせ、②の干しあんずを加えて混ぜておきます。
④①の人参の粗熱が取れたら③のボウルに加えて全体に混ぜ合わせ、1~2時間漬け込んで味をなじませます。器に盛り付けて出来上がりです。

人参の黒胡麻和え
材料(4人分)
人参1本
A(だし汁1カップ、砂糖大さじ2、しょうゆ小さじ2、塩ひとつまみ)黒胡麻大さじ3
B(だし汁小さじ2、砂糖大さじ1、しょうゆ小さじ2、塩少々)
①人参は皮をむき、4cm長さの厚めの短冊切りにします。鍋に入れ、Aを加えて中火にかけ、煮立ったら弱火にして煮ます。
②①の人参がやわらかくなったらザルに広げ、汁気を切って冷まします。
③黒胡麻は香ばしく炒ってすり鉢に入れ、熱いうちにすりつぶし、Bを加えてさらによくすり混ぜます。②の人参を加えて和え、器に盛り付けます。

人参と豚肉のマヨネーズ炒め
材料(4人分)
人参300g、豚もも肉200g、クレソン1束、マヨネーズ大さじ2.5、塩・コショウ各適量
①人参は皮をむき、そのまま皮むき器でむきながら薄いリボン状にします。
②豚肉は3cm幅に切って軽く塩・コショウをふり下味をつけます。
③クレソンは太い茎の根元を切り落とします。
④フライパンを中火で熱してマヨネーズを溶かし、②の豚肉を入れて焦がさないように注意しながら炒めます。
⑤④豚肉の色が変わったら①の人参を加えて、全体に混ぜながらよく炒めます。人参がしんなりとしてきたら③のクレソンを加え、さっと炒め合わせて、塩・コショウで味を調えます。

人参のポタージュスープ
材料(4人分)
人参2本、玉葱1個、ジャガイモ小2個、水6カップ、固形スープの素1個、牛乳・生クリーム各1カップ、バター大さじ2、塩少々
①人参は皮をむいて薄切りにし、玉葱も薄切りにします。ジャガイモは皮をむいて薄切りにし、水にさらした後水気を切ります。
②鍋に①の野菜を入れ、水と固形スープの素を加えて強火にかけます。沸騰直前に弱火にしてアクを取り、コトコトと煮込みます。
③②の野菜が煮崩れるほどやわらかくなったら火を止め、粗熱を取ってから、ミキサーにかけてピューレ状にします。
④③のピューレを鍋に戻し、中火にかけてとろっとするまで煮詰め、牛乳を加えて弱火で15分煮ます。生クリームを加えてひと煮立ちさせ、塩で味を調えて火を止め、バターを落として余熱で溶かします。
⑤④を器に注いで出来上がりです。ハーブ類を浮かせると彩りが良くなります。
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