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さつまいも
金沢弁で「甘くてこぼこぼ」のさつまいも。金沢のさつまいもは、中心産地である五郎島<ごろうじま>の名を冠して「五郎島金時」として全国的にも有名です。
内灘の砂丘地で栽培され、色の美しさ、形の良さ、甘みの強さ、どれをとっても最高級であると好評です。

出回り期
ほぼ周年出回っていますが、貯蔵後に市場に出荷される2月から3月が、熟度が増して最もおいしい時期といわれています。産地は五郎島<ごろうじま>・粟崎<あわがさき>・大野・大徳地区

選び方
色つやが良く、皮がきれいで黒い斑点がないもの。
良く太っていてヒゲ根の跡の小さいものを選びましょう。

保存方法
乾いた新聞紙などにくるんで常温で涼しい場所に保存して下さい。
水気がつくと腐りやすくなるので注意しましょう。
低温に弱いため、冷蔵庫で保存するのは逆効果です。

栄養
主成分は炭水化物で澱粉と糖分が多く含まれています。
さつまいもに傷をつけた時にでる白い乳液状のものをヤラピンといいます。さつまいもにはこのヤラピンと食物繊維がとても豊富に含まれています。便秘に効くのは当然のこと、がんや動脈硬化の予防にも効果的です。
また、ビタミンCや、βカロテンをたっぷり含み、しみ、そばかす、風邪などに威力を発揮します。“美容にいい”のは、この栄養素が豊富だからです。βカロテンは加熱による損失が少ないので、どんな調理方法でも栄養価が落ちません。
さつまいもには体力や気力を充実させ、胃腸の働きを活発にし、精力を増す作用もあり、あまり細かく切らずに丸ごと調理した方が効果的です。

食べ方
あくが強く、皮をむいてそのままおくと黒くなるので水にさらすとよいでしょう。
レモンと一緒に煮ると皮の赤い色が鮮やかに仕上がります。
水分が少なくホクホクであるため、焼きいもにするには最高です。
また、蒸し鍋で食べる「ふかし芋」も、昔からのポピュラーな食べ方です。箸が通るくらいになるまで蒸して、塩をふりかけて食べる素朴な味わいです。

料理レシピ

さつまいもの煮物
1cm位の厚さの輪切りにし、だし汁、みりん、砂糖、しょうゆを入れて煮る。お箸が通るくらいのやわらかさになったら出来上がり。
また、同じく加賀野菜である「つるまめ(千石豆)」と一緒に煮るのも金沢では一般的。つるまめの皮が厚ければ、先に軽く下茹ですると良い。

さつまいもの天ぷら
0.5~0.7センチの輪切りにし、天ぷらの衣をつけて揚げる。

おさつチップス
材料
さつまいも 好きなだけ
①さつまいもを洗って薄く輪切りにし、水にひたしておく。
②水気を取って、160℃程度の温度でカリッと揚げる。
③全体に塩をふる

大学ポテト
材料(4人分)
さつまいも 2~3本
黒ごま
①さつまいもは皮をむき一口大に乱切りし、水にさらした後、中温の油でカリッと揚げる。
②砂糖、飴、水、レモン汁醤油を入れ、煮立てて①を入れて素早くからめる。
③黒ごまをまぶす。

 追 記
五郎島さつまいもの歴史は古く、遠く元禄時代に、五郎島村の肝煎太郎右衛門が薩摩の国から種いもを持ち帰り栽培したのが始まりとされている。松林の中に穴を掘り蓄えたのが最初で、貯蔵小屋は一部落を思わせるまでになった。砂丘地にぴったりあった作物として五郎島、粟崎地区に定着し、明治の末期には小売も行われ、能登方面へは俵詰めにして船で出荷した。
さつまいもは同じ土壌で栽培し続けた場合、連作障害で病気になることが多く、金沢でもほとんどの生産者がスイカ、ダイコンなどとの輪作体系を取っている。また、貯蔵期間には温度を13℃から15℃に保ち、味の熟成にも力を注いでいる。
さつまいもの栽培が最も華やかだったのは戦中・戦後の昭和18年から26年頃。昭和30年頃には100ha近く栽培されたが、食生活の変化から40年には50haまで減少した。しかし、新品種の導入、技術の進歩などの努力もあって再び増え、昭和52年、キュアリング貯蔵庫(共同貯蔵施設)が完成したこともあって市場への周年出荷が可能となった。近年は収穫量の変動が少なく、需要もあることから市場価格も安定している。すいか、大根の輪作作物として今後も定着していくと思われる。

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