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二塚からし菜
大根の葉っぱに似た形で、緑と赤紫の混ざった色。独特の強い辛みと鼻を突く香気を備えており、おひたしや漬け物に最適です。種はからしの原料として使われます。

出回り期
冬に育ち、早春に収穫される食材です。
2月~3月に出荷されます。

選び方
緑が濃く、みずみずしいものが新鮮です。

保存方法
湿った新聞紙につつんで冷蔵庫へ。 

栄養
栄養価の高い野菜で、ビタミンA、カロテン、カルシウム、カリウム、リン、ビタミンCが豊富で、他の栄養素もまんべんなく含んでいます。
苦みの成分はシニグリン。漬け物にするとビタミンCは減りますが、ほかのビタミン類やミネラルはかえって増えて栄養価は高くなります。

食べ方
加熱温度によって辛みが出ずに苦みに変わってしまいます。
お湯が熱すぎると辛みが飛びますので注意しましょう。

料理レシピ

からし菜の即席漬
材料(4人分)
からし菜 1束
塩 少々
①からし菜をよく水洗いする。
②沸騰する前(80度くらい)のお湯にさっと湯通しする。
③冷水にひたす。(アクがとれ辛みが出る)
④水気を切って塩をふり、よくもむ。
⑤容器に入れて最低2~3時間冷やす。

からし菜の漬け物
材料(4人分)
からし菜 1束
塩 少々
①からし菜は水洗いして、変色した葉、砂を落とす。
②沸騰する前のお湯でさっと湯通しする。
③塩を振り、さっともむ。
④黒い汁(アク)が出始めたら固くしぼり、もう一度もんで絞る。
⑤ざっと洗って、しょうゆとみりんを加えて、密封できる容器に入れる。
⑥一晩くらい漬け込み、水気をとり、根の固い部分を切り落として適当な大きさに切る。
※1ヶ月ほど漬けたら味がまろやかになります。

からし菜入り餃子
①からし菜の漬け物を細かくきざむ。
②餃子の皮に他のタネを一緒につつんで焼く。

 追 記
農業センターと二塚地区の生産者の努力によって、先頃40年ぶりの復活を果たしました。というのも、昭和30年代後半より、一般消費者向けの栽培は途絶えてしまっていたのです。まだまだ生産量は少ないですが、厳寒育ちの伝統の味を取り戻すため、今後の増産が期待されています。
金沢では二塚地区を中心に大正から昭和30年代後半まで、主に水田の裏作として栽培されていた。当時は8月下旬~9月、稲刈り後の水田にレンゲ草と一緒にまかれ、無肥料で栽培して雪解け後に収穫していた。これは、痩せた土地を肥やすための緑肥作りを兼ねたものだった。昭和30年代後半から農業の機械化や化学肥料の開発、専業農家の減少で栽培されなくなった。

全国にもからし菜の産地はあるが、ここ金沢では、かつて犀川が何度も洪水を起こしたことにより、川沿いの土地が肥沃になり、栽培に適する土壌となった。9月種まき、2月以降、葉っぱが20~30cmになったところで収穫。
二塚地区では昔から「(漬ける人の)根性の悪いものほどおいしくなる」「けんかして作るとうまい」と言われてきた。これは、からし菜を漬ける際には力一杯もむことで辛み成分が飛び出すことからきているユニークな表現である。

辛みを出すには?
「二塚からし菜を調理してみたが、どうも辛みが出ない。どうすればあの辛みが出るのか?」という質問をよく耳にする。人によって千差万別、色々な方法があるので以下の方法を試し、あるいは組み合わせて辛み出しに挑戦して欲しい。

例1)80℃くらいのお湯にサッと通し、すぐに冷水に浸す。
例2)葉を叩いたり、もんだりするなど刺激を与えた後茹でる。
例3)葉をちぎって冷凍させ、それを沸騰直前の湯で戻す。
例4)沸騰直前の湯にサッと通し、すぐに裏返してまたサッと通す。その後密閉した袋に入れ、常温で冷ます。
いずれの方法にしても「からし菜の繊維を壊すと辛みが出る」らしい。さて、一番良い方法は?
他にもあるかも。見つけてみましょう。

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