| へた紫なす | 
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            名前のまんま、へたまで紫色のなすびです。 
            大きさはなすとしては小型で平均5センチくらい。光沢のある、きれいな卵形をしています。別名キュッキュッナスともいいます。実は柔らかく、皮が薄く、漬け物や煮物に適しています。 | 
          
          
            
             
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            出回り期  
ナスは夏の代表的な野菜です。旬=6月上旬~11月中旬(ピークは7月10日ごろ~9月上旬) 
産地=崎浦地区  
             
            選び方  
光沢があり、果肉のしまったもの。へたのとげが固くとがっており、さわると痛いくらいのものがよいでしょう。  
             
            保存方法  
袋などに入れて冷蔵庫へ。10℃程度が適温。5℃以下だと逆に低温障害を起こしてしまいます。  
             
            栄養 
主成分は糖質で、カルシウムと鉄を多く含みます。ビタミン類は多くありません。 
昔から、ナスでシップをすると打ち身や捻挫の腫れが引くとか、食べると熱を下げたり血液の循環をよくするとか言われてきましたが、それほど絶大な効果は期待しない方がよいでしょう。  
             
            食べ方  
            長ナスは中華や洋風にも応用できますが、へた紫ナスの持ち味を十分引き出すのは漬け物や煮物といった純日本的な調理法です。なすはアクが出るので、切ったらすぐに塩水につけてあくを抜くのがポイントです。 | 
          
          
            
             
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            料理レシピ 
             
            一夜漬け 
            材料(4人分) 
ヘタ紫ナス8個 
塩 10g 
            ①へたが付いたままの状態できれいに洗う。 
            ②塩をふり入れ、容器の上からおもしをのせて一晩ねかす。 
(この他にぬか床に入れてもよい) 
            ③漬かったなすを水で洗い、へたを切り取って適当な大きさにする。 
             
            なすソーメン 
            材料 (4人分) 
なす 8個 
ソーメン2把 
            ①なすは皮をむいて一口大に切り塩水にとってあく抜きをする。ソーメンは固めにゆでて冷水でよくもみあらいし、ざるにあげておく。 
            ②なすがかぶるくらいのだし汁、酒、醤油、砂糖を入れて煮立てる。 
            ③煮立ったところにソーメンを入れてもう一度煮立てる。 
             
            なすの煮物 
            材料(4人分) 
なす8個 
            ①なすのへたを取り下の方を縦半分ぐらいに切り目を入れる。 
            ②なすがかぶるくらいの水を入れ塩を軽く一握り入れ、沸騰させて7~8分煮立てる。柔らかくなったらこのゆで汁を捨てる。 
            ③だし、酒、醤油、砂糖を入れて2~3分で煮汁がなくなったところで火を止める。 
             
            なすのミートチーズ焼き 
            材料(4人分)  
なす4個 
合挽肉 150g 
            ①なすは縦4つに薄切りして、油をなじませたフライパンでこんがり両面を焼く。 
            ②フライパンに油を足してにんにくのみじん切りと合挽肉を炒め、トマトケチャップ、ドミグラスソース、水、固形スープの素を入れて煮る。塩、こしょうで味を調える。 
            ③オーブンの天板になすを並べ、玉葱の薄切りをのせ②をかけ、チーズをのせ180℃のオーブンで5~8分焼く。 
④器に盛り、パセリのみじん切りをふる。 | 
          
          
            
             
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            |  追 記 | 
          
          
            干ばつに弱く水管理が難しい。また、下葉かきをしなければならないなど、手間がかかる野菜である。(古い葉をまめにかきとり、株内の日当たりを良くするもので、なすの色つやをよくし、成り疲れを防ぐ大切な作業)低温にも弱い。樹勢は強く秋口には枝の高さが大人の背丈以上になる。 
             
            崎浦地区で昭和初期から栽培されていたと言われている。 
価格の低迷により、昭和50年ごろから減少傾向。全国的な主流である中型ナスに押されるようになった。 
            区画整理事業でナス生産畑が減少したが、東浅川地区などに新産地開拓もしている。この地は小石が交じった土質で水はけがよく、川に隣接しているため昼夜の気温差が比較的大きいなど崎浦地区の生育環境に似ているので期待されている。 
             
「秋なすは嫁に食わすな」 
            和歌の「秋なすび早酒(わささ)の粕につきまぜて棚におくとも嫁に食わすな」に基づく。この場合の嫁は「嫁が君」のことで、鼠のことを昔はそう言った。解釈にはまったく正反対の二説があり面白い。 
            いい意味=秋なすは身体を冷やすから、あるいは種子が少なくて子種がないと困るから、大事な嫁に食わすな。悪い意味=こんなにうまいのだから憎い嫁に食わすなの意味。今では主に「憎いから」と姑から嫁に向けての言葉で使われるのが多い。
             
             
            ヘタを陰干しにしたものを飲むとどんな咳も止まるといわれる。打ち身、捻挫の応急処置に冷蔵庫で冷やしたなすを切り、患部に当てると腫れがひくといわれる。又、漬けなすにはミョウバンや鉄釘を入れる(鉄分やアルミ分となすのアントシアニンという色素が反応し、紫色になる)ので補血剤になるといわれる。
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