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果実の知識

スイーティー
~見た目と裏腹のやわらかい甘さ~
スィーティーは、グレープフルーツの仲間で形も味もよく似ています。でも何といってもその鮮やかな緑色の果皮が最大の特徴です。
この果物を初めて見た人は一様に「真っ青ですっぱそう!まだ熟してないんじゃないの?」と驚きます。でも食べてみると、グレープフルーツよりも酸味が少なく、口当たりの良い甘さにまたまたびっくり。そうなると色の青さは「未熟」のイメージから「清涼感」に変わります。
産地
スィーティーの産地はイスラエル。
店頭ではよく「Jaffa Sweetie(ジャファスィーティー)」というシールが貼ってありますが、「Jaffa」はイスラエルにある市の名前です。ジャファ市の港からスィーティーが輸出されたことから、こう呼ばれているわけです。
オロブロンコ
スィーティーとは別に、オロブロンコという商品も出回っています。実はこれ、スィーティーと同じ品種です。
主にアメリカ・カリフォルニア産のものを「オロブロンコ」、イスラエル産のものを「スィーティー」として区別しています。 同一品種ながら、気候の違いなどから、オロブロンコはスィーティーよりも緑色が薄く、黄色味が強い傾向があります。もともと、オロブロンコがイスラエルに渡って「スィーティー」という商品名になったので、こちらの方が本家本元。
でも、日本では「スィーティー」の方が圧倒的に知名度が高く、お店によってはオロブロンコを「アメリカ産スィーティー」と称して売っていることも多いようです。
歴史
1950年代に、アメリカのカリフォルニア大学で、グレープフルーツとポメロ(文旦の一種)を交配して作られたのがオロブロンコです。その後、イスラエルに移植され「スィーティー」という商品名になりました。イスラエルの気候は冬が暖かく、果実の葉緑素が分解されずに緑色が残るので、熟しながらも緑色が抜けない独特のフルーツに変貌を遂げたのです。
日本には1991年から輸入がスタートしました。その外見に似合わぬまろやかさと甘さで輸入開始直後から大反響が巻き起こり、生食のみならずキャンディーやガムなどに加工されるほどの大ブームを呼びました。
出回り期
グレープフルーツが一年中入手可能なのに大して、スィーティーは季節商材です。
11月~2月にかけての“冬のくだもの”としてお楽しみください。
見分け方と保存方法
皮に張りがあり、ずっしりと重量感があって、色が鮮やかなものを選んでください。
冬のフルーツで気温も高くありませんから、常温で放置しても結構もちます。また、長期保存したいのであれば、ポリ袋に入れて野菜室(5℃程度が最適)に入れてください。
また、日が経つにつれて持ち前の緑色が薄れ、黄色に近くなってくることがありますが、品質的には問題ないでしょう。
栄養
グレープフルーツから誕生したスィーティーですから、栄養的にも非常によく似通っています。ビタミンCやA、食物繊維を豊富に含み、低脂肪。
風邪・高血圧・心臓病等の予防に最適な食品であると最近特に注目されています。ダイエットにも最適で、お酒をたくさん飲んだ時に摂取するのも非常に効果的です。
雑学
☆皮の汁はプラスチックやスチロールを溶かす?
スィーティーを食べた後、テレビのリモコンや電卓、発泡スチロールなどを触ると、変色したり溶けてしまったりすることがあります。「農薬?溶解液?毒???」とびっくりする人もいたそうですが、これは、スィーティーの皮に含まれる「テルペン」という精油の成分の影響を受けたために起こる現象です。
テルペンにはスチロール樹脂を溶かすという性質があります。ほとんどすべての柑橘類の果皮に含まれており、スィーティーには特にたくさん存在しているようです。
人体への影響はまったくありません。むしろ、柑橘類が持つさわやかな香りは、このテルペンに溶け込んでおり、人々に爽快感を与えてくれるのです。

☆薬とスィーティーを一緒に摂るな!?
グレープフルーツのページでも紹介しましたが、スィーティーを食べる上で一つだけ注意すべきことがあります。それは、薬と一緒に(又は近い時間に)摂取しないことです。スィーティーやグレープフルーツの成分には、薬の血中濃度を上げる作用を持つものがあり、この結果、薬の効き目や副作用が通常よりも強く現れてしまうことがあるのです。特に、血圧を下げる薬を常飲されている方は注意が必要です。
この作用は、すべての薬にあてはまるというわけではないそうですが、まだまだ未解明な部分もあり、我々としてはとりあえず、「薬とは一緒に摂取しない」と覚えておくことが賢明でしょう。
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