歴史 |
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熱帯アメリカ原産。16世紀初めにスペインの探検隊によってパナマ及び南アメリカの北西部で発見され、カリブ海沿岸に広まりました。その後、スペイン人、ポルトガル人の手によって世界各地の熱帯地域に伝播され、ヨーロッパには17世紀、アジアには18世紀に伝わったと思われます。
日本へは明治時代半ばに伝来し、沖縄や小笠原諸島で栽培されるようになりました。日本では、その瓜に似た形から「木瓜(もっか)」と呼ばれることもあります。 |
ママのおっぱい |
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パパイヤを発見し、世界に伝播したスペイン人・ポルトガル人らは、初めてパパイヤを見たとき、その形から母親の乳房を連想したといいます。また、果実には独特の香りがあり、果実や幹に傷をつけると乳液のような汁が出てくることから、「おお、ママのおっぱいだ!」と叫んだとか。これが語源となり、スペインやポルトガルではパパイヤのことを“ママオ”またま“マモン”と言うそうです。 「パパイヤ」という名の語源は不明ですが、一説にはカリブ語からの転訛だといわれています。 |
見分け方 |
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果肉に弾力があって、表面にツヤがあるものを。しなびた感じのするものは鮮度に問題があります。また、ふっくらとしたボリューム感があり、果皮に傷や斑点のないものを選びましょう。 |
食べ頃と保存方法 |
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未熟なうちは青緑色で果肉も硬いのですが、常温で放置しているうちに追熟されます。しだいに果皮は黄色になり、弾力を帯びてきます。果実全体が黄色くなり、手で握ってみて弾力を感じるころが食べ頃です。まだ緑色が抜けないうちは冷蔵庫には入れないこと。冷蔵庫に入れるとそれ以上熟さなくなり、最悪の場合は「青腐れ」といって未熟のまま腐敗してしまう場合もあります。
完熟後はあまり日持ちのしない果実ですから、早めに食べきることです。特に湿度が高くなるとカビが発生しやすいので注意が必要です。 保存したい場合は、色が完全に黄色になってから冷蔵庫に入れること。
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食べ方 |
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縦に半分に切って、種を除き、残った筋もきれいに取り、スプーンですくって食べてください。特有の匂いと甘みが苦手な人は、レモンを振りかけたりヨーグルトと合わせたりして食べるとよいでしょう。酸味が足されることで味のバランスが良くなります。
また、完熟したものを冷凍庫で凍らせると、匂いが消えて食べやすくなります。 |
栄養 |
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パパイヤには各種ビタミンがまんべんなく豊富に含まれていますが、特に優秀なのはビタミンCとビタミンA効果のβカロテンです。 ビタミンCは100gあたり50mgを含有しています。パパイヤ1個が平均400gほどですから、半分程度で十分に一日に必要な量を摂取することができます。 βカロテンは100g中480μg(マイクログラム)含みます。
βカロテンは目に良いだけでなく、活性酸素を抑制することで抗癌作用があるとされています。ただし、色の黄色い完熟果の方が青い未熟果よりもカロテンの含有量は圧倒的に多いので、十分に熟したものを食べるようにしましょう。 また食物繊維も豊富で100gあたり2.2g含有。パパイアはカロリーが少ない(100gあたり38kcal)ので、健康的なダイエット食に適しています。
注意したいのは“パパイン”と呼ばれるたんぱく質分解酵素です。この酵素は、肉と一緒に煮たり焼いたりすると肉を柔らかくする効果があり、消化を助けるとされています。しかし、パパインは黄色くなった完熟パパイヤにはあまり含まれておらず、未熟の青パパイヤに多く存在する成分ですので誤解のなきよう。 フィリピンではいぼや魚の目を取るのにパパイヤの乳液を使うそうです。これもパパインの持つたんぱく質分解効果によるものでしょう。 |
品種 |
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パパイヤは全世界の熱帯地域で栽培されており、その種類もたくさんあります。果形も卵形、長楕円形、球形などさまざまであり、重量も200g~1kgに達するものまであり、幅広い果実です。その中でも代表的な品種はソロ種とサンライズ種です。
■ソロ種
果皮と果肉は鮮やかな黄色。果汁が豊富。熟度が進むと皮が黄色からさらにオレンジ色がかってきます。生食用としては最も優秀な品種であるとの評価が高く、日本で一番多くでまわっている品種です。
■サンライズ種
果肉がオレンジ色のおしゃれなパパイヤ。ソロ種よりもさっぱりとした食感です。 |