| 見分け方  | 
                
                
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                  形が整っているものを選びましょう。 食べごろを見分けるのも重要なポイント。熟すと果皮が緑色から茶色に変わり、お尻の方が割れてきます。同時にあの独特の匂いも漂ってきます。花落ち部が割れるのは順調に熟れてきた証拠ですので、むしろ歓迎すべき現象です。 | 
                
                
                  | 保存方法  | 
                
                
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                  まだ緑色が強く、花落ち部分が割れていないものは未熟ですので常温で放置してください。  
熟れたドリアンならば、中の果肉を取り出し、ラップで包んで冷蔵庫へ入れれば一週間くらいもちます。 
さらに長く保存したい場合は、果肉を冷凍してください。 | 
                
                
                  | 食べ方  | 
                
                
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                  なんせあの姿ですから、どうやって切ったらいいか、迷ってしまいますね。ドリアンの中身は、ふつう、5つの房に分かれていて、その房ごとにクリーム色の果肉が入っています。熟すと花落ちの部分が5つに割れてきますから、そのくぼみに沿って包丁を入れるとよいでしょう。 
                  ※ドリアンには硬く鋭いトゲがあるので注意が必要です。切るときには軍手をはめることを忘れずに。また、下にタオルを敷かないとテーブルが傷ついてしまいます。  
                   
①くぼみにそって包丁を入れていく。中の果肉まで切らないように注意して。包丁の方向を変えて、反対側にも切り込みを入れる。 
 
②5つの房に切り分け、白い膜を取り除いて果肉を出す。 
 
③取り出した果肉は2つに切り、中の種を取り出す。 
 
                  ③果肉を小さく切り、ドリアンの皮を器にして盛ると雰囲気が良くなる。 | 
                
                
                  | 産地 | 
                
                
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                  ドリアンを栽培しているのは東南アジアの国々。なかでも中心はタイで、年間100万トン以上を生産しており、圧倒的に世界一。日本が輸入しているのも多くはタイ産です。続いてマレーシアが盛んで、インドネシア、フィリピン、中国などでも作られています。 
ドリアンは熱帯雨林気候でないと実が成らず、果樹も最低で15m以上の高木になるため、日本国内での栽培はほとんど不可能です。  | 
                
                
                  | すさまじいフルーツ  | 
                
                
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                  ●名前のすさまじさ 
ドリアンは「durian」と書きます。「duri」はマレー語で「とげ」、「an」は「果実」であり、「とげのある果実」という意味です。また、英名は「civet fruit(シベット・フルーツ)」といって、「麝香の果実」の意味です。 
すさまじいのはニックネーム。“くだものの王様”という正統的なものもあれば、“熱帯果実の魔王”、“悪魔のくだもの”とも呼ばれています。悪魔を連想させるネーミングは、そのおどろおどろしい姿形にもよりますが、一度好きになってしまったら、取り付かれたように虜になってしまうことからもきているようです。 
 
                  ●見た目のすさまじさ  
すごい色、すごい形、そしてすごいトゲです。昔、これによく似た地底怪獣がウルトラマンに出てきました。この鋭いトゲは物凄く硬く、素手で触ると怪我をしてしまいます。ちなみに、ドリアンはヤシの実と同じように、熟すと木から自然落下します。木の高さは15m~30m。そこから落ちても割れない硬さを持っているのです。間違ってもドリアンの木の下を歩かないようにしましょう。 
また、こんなにエグイ外観に比べ、中身のギャップがまたすごい。果肉は、オムレツのようにも見えるし、ふやけたバナナのようにも見えます。このように、はっきり言ってグロテスクなドリアンですが、好きな人に言わせると「そこがまたいい」んだそうです。 
 
                  ●臭いのすさまじさ 
普通、果実の「におい」は「匂い」と書きますが、ドリアンに限っては「臭い」と書くことが多いようです。それほど独特かつすさまじい香りを持っています。いろいろな表現が見受けられますが、「ガス臭い」、「便所臭い」、「腐ったタマネギのにおい」、「動物が腐ったようなにおい」、ズバリ「悪臭」、「人糞臭」など言いたい放題です。そのあまりの強烈さのため、タイではホテルや飛行機への持ち込みが禁止されているそうです。また、ほとんどのレストランでは食べられません。 
こんなにすさまじいドリアンの臭いですが、好きな人に言わせると「そこがまたいい」んだそうです。 
 
                  ●味のすさまじさ 
ドリアン大好き人間にまつわる面白い話は後を絶ちません。 
曰く「一度食べると借金をしてでも毎日食べたくなる。」 
曰く「ドリアンを食べることは東洋へ旅立つことの第一の目的になりうる。」 
曰く「自分の奥さんを売りに出してまでドリアンを買うお金を作る。」 
曰く「私はドリアンを食べるためにタイに移住した。」 
曰く「この世には、ドリアンを大好きな人間と大嫌いな人間の二通りしかいない。」 
                  曰く「私たちは『ドリアンパーティー』のメンバー。パーティーでは他の物は一切食さず、ひたすらドリアンだけを食べ続ける。」 | 
                
                
                  | 栄養 | 
                
                
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                  ドリアンはビタミンA、リン、鉄分、カルシウム等が豊富なフルーツです。強精効果があることでも知られています。 ただし、食べすぎるとかえって体調を悪くすることがある他、「お酒と一緒に食べないで下さい」という注意書きも目にします。医学的にははっきりしていませんが、一説によると胃腸内で異常発酵が起こり、のぼせたり、熱が出たりするというのです。一応、お酒とは同時に食べないように気をつけたほうがよいでしょう。 | 
                
                
                  | 品種  | 
                
                
                   | 
                  ドリアンの品種は200ほどあるそうですが、主に食べられるのは3~4種類です。  
                   
                  ●チャネー(Cha Nee) 
「チャネー」はタイ語で「手長猿」の意味。木にぶら下がっている様子が似ていることからこの名がついたようです。世界的には最も多く作られている品種で、甘味は強いものの、臭いも強烈なのが特徴です。 
 
                  ●モントン(Mon Thong) 
「モン」は「枕」、「トン」は「金」の意。果肉の色が黄色く、形が枕に似ていることからこの名がついたようです。他の品種よりも臭いが少ないので人気があります。値段は平均するとチャネーよりもやや高価です。 
 
                  ●ガンヤオ種(Kan Yao) 
「ガン」は「茎」、「ヤオ」は「長い」という意。他の品種に比べて、その名の通り茎の部分が長いのが特徴。チャネーやモントンに比べて流通量は少ない品種です。価格は他の品種よりも高めです。 
 
                  ●クラドゥムトン(Kradum Thong) 
                  「クラドゥム」は「ボタン」、「トン」は「金」。形が昔の中国風のシャツのボタンに似ているところからこの名がついたようです。流通量はとても少なく、ほとんど売っていないそうです。 |