かつては夏になるとすいかをまるごと買ってきて、一家で取り合うようにかぶりついたものです。でも今ではそんな光景はめったに見られなくなりました。 
                  
                    - 核家族化が進んだため、まるごと1個も食べられない。
                    
 - 大きすぎて冷蔵庫に入らない。
                    
 - 種があって面倒だ。
                    
 - 食べた後、皮が大きな生ゴミになる。
 
                     
                    こうした理由で、だんだん消費は減りつつあります。 
                    でも、もう一度考え直してみましょう。スイカは夏の風物詩。なんといっても夏果実の王様格です。最近、スイカにだっていろいろな栄養・効用があることがわかってきました。 
                    スイカを食べて、古き良き日本の夏を取り戻しましょう!
                    
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                  | スイカの来歴 | 
                
                
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                  南アフリカ原産。 
すでに2500万年前にスイカの野生種が存在していたと考えられています。 
栽培の歴史としては、紀元前数千年の昔からエジプト、インド、ギリシャなど古代文明において栽培が始まり、世界中に広まっていったとされています。地中海での栽培が盛んになった頃に果物として広く食されるようになり、そこからインド、中央アジア、東南アジアへと伝播していきました。 
                  日本への導入は、「①平安時代に中国から説」、「②16世紀にポルトガル人から説」、「③17世紀にポルトガル人から説」、「④17世紀に中国から説」などいろいろ説があり、定かではありません。いずれにせよ、日本からみて西の方向から伝わってきたものであり、「西瓜(すいか)」という名の由来になっています。 
当時のスイカは皮が黒く、果肉が紅色だったそうです。  | 
                
                
                  | 産地  | 
                
                
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                  スイカといえば夏の風物詩。ですが、最近はハウス栽培技術の発達によってほとんど1年中食べられるようになりました。 
                  金沢市中央卸売市場では、10月末から翌年の6月いっぱいまでの長期にわたり、高知産の西瓜が入荷されます。また、春先からは熊本産が中心に。その後千葉産、茨城産が続きます。 そして6月からはいよいよ地物・石川県産が始まります。 
金沢産は毎年、ハウス物で6月中旬に出荷がスタートし、6月下旬にピークとなります。 
露地は7月上旬から始まり、7月中・下旬がピークとなります。 
金沢産にバトンタッチするように、7月下旬からは能登産が始まります。志賀町を中心に露地栽培で8月下旬まで続きます。  | 
                
                
                  | 選び方  | 
                
                
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                  八百屋さんがスイカに耳を近づけ、ポンポンと叩いているのを見たことがないでしょうか?あれはべつに、太鼓代わりにして遊んでいるわけではないのです。音の具合でスイカの良し悪しを計っているのです。 
カットされていないまるごとのスイカを片手に持ち、もう一方の手で軽くたたいてみましょう。 
「ポンポン」と響くいい音がしたら・・・それは食べ頃のスイカです。 
「ペンペン」とか「ボテボテ」と鈍い音がしたら・・・・熟れすぎて(あるいは落としたりして)中の実が崩れてしまっています。 
「ピンピン」と高い音がしたら・・・まだ若いスイカです。 
 
また、外見での判断ですが、縞が太くつやが良いものを選ぶとよいでしょう。 
ただし、甘さに関しては実際に食べてみないとわかりません。お店の「糖度表示」を参考にしたり、店員さんに聞いてみるなどしたほうがよいでしょう。  | 
                
                
                  | 保存法  | 
                
                
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                  最近はカット売りが主流になってきました。カットされている場合は、ラップして冷蔵庫へ。でも、あまり冷やしすぎると低温障害をおこしますから、買ったその日に食べてしまうのが賢明です。 まるごとならば冷蔵庫に入れずに涼しい場所で保存しましょう。 | 
                
                
                  | 栄養価  | 
                
                
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                  スイカは水分ばっかりで栄養価はほとんどないと思われがちですが、意外に効用の多い健康フルーツなのです。 
 
                  ①疲労回復 
スイカにはたくさんのミネラルが含まれています。その中でも特にカリウムが豊富。カリウムは疲労した筋肉を素早く回復させる働きがあります。 
 
                  ②むくみが取れる 
シトルリンというアミノ酸は、尿成分を作るのに役立ちます。スイカを食べると利尿作用が高まり、体のむくみが取れるという効果があります。 
 
                  ③熱をさます 
夏場にスイカをかぶかぶ食べるのは、水分補給のためだけではありません。スイカには体温を下げるという効能があるので、氷水を飲むよりもずっと“涼しい”気分を味わえるのです。体のほてりをさますにはスイカが最適です。また、高血圧を抑制するのにも効果的です。  
食べ方  
スイカは真ん中が一番甘く、次に下(お尻)の部分、その次が横、最後に上(つる)の部分の順番になります。 カット済みではなく、まるごとのスイカを切って食べるときには、まずふきんをかけ、水道の水をかけ続けて温度が15~20度になってから食べると本来の味が楽しめます。冷蔵庫で冷やしすぎると風味を損ないます。 | 
                
                
                  | スイカの切り方 | 
                
                
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                  ①縞をはずして上から下へ半分に切ります。 
なぜ縞をはずすのでしょう。実は縞の延長下に種が多くあり、縞の上から切ると包丁に種がぶつかる確率が高いのです。ですから、縞をはずして切った方が、種が切り口に現れずきれいに切れるというわけ。 
                   
                  ②さらに上から下に切り、4分の1カットに。この時も、中心線から外してやや斜めに切ると種にぶつからず、切り口も大きく見せられます。 
 
                  ③さらにみんなで分けて食べるときは、中心点から放射状に切り分けます。こうすることでどれも同じような甘さになります。  | 
                
                
                  | 栽培 | 
                
                
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                  スイカの成長過程では、昼と夜の温度差がとても重要な意味を持ちます。これはくだもの全般にあてはまることですが、昼夜の温度差が大きいことが、甘さを高める上でとても大事なのです。  
今日までの気候を思い出してみましょう。昼と夜の温度差が激しい日が多かったなら、今年のスイカは“買い”です。 |