文字通り小さなスイカで、直径が平均20cm、重さは1.5~2㎏ぐらいです。 小さくても皮が薄いので可食部はたっぷり。甘みも強く、普通の大玉スイカにひけはとりません。
時代のニーズ
小玉スイカの消費拡大には、今の時代背景が密接に関係しています。
- 核家族化・・・少人数の家庭が食べるにはちょうど良い量です。
- ごみ問題・・・小玉スイカは皮が薄く、あまりごみは出ません。
- 保存場所・・・ゆったりした野菜室なら、冷蔵庫に丸ごと入れられます。
- 持ち運び・・・軽量化は何につけても今の時代のキーワードです。
|
来歴 |
|
スイカは南アフリカ原産。
すでに2500万年前にスイカの野生種が存在していたと考えられています。 栽培の歴史としては、紀元前数千年の昔からエジプト、インド、ギリシャなど古代文明において栽培が始まり、世界中に広まっていったとされています。地中海での栽培が盛んになった頃に果物として広く食されるようになり、そこからインド、中央アジア、東南アジアへと伝播していきました。
日本への導入は、「平安時代に中国から説」、「16世紀にポルトガル人から説」、「17世紀にポルトガル人から説」、「17世紀に中国から説」などいろいろ説があり、定かではありません。いずれにせよ、日本からみて西の方向から伝わってきたものであり、「西瓜(すいか)」という名の由来になっています。 当時のスイカは皮が黒く、果肉が紅色だったそうです。 日本に根付いたスイカに品種改良を繰り返し、また、近年ではバイオ技術の助けも借りて、現在の小玉スイカが誕生しています。 |
出回り期 |
|
金沢市中央卸売市場では、3月下旬より群馬県の新田郡農協を中心に入荷が始まり、6月上旬からは石川県産ハウス物にスイッチ。7月上旬の露地物に切り替わる頃がピークで、7月下旬まで入荷が続きます。 これは大玉すいかに比べると2週間ほど早いサイクルです。小玉スイカの多くは早生種でもあり、大玉にやや先駆けての出回りとなるわけです。 |
品種 |
|
時々、「普通のスイカが大きくなる前に収穫したのが小玉スイカ」だと思っている人がいますが、それは間違い。れっきとした小型すいかの種類です。小玉すいかの中にもたくさんの品種がありますのでいくつかご紹介します。
●紅小玉
小玉すいかの代表的品種。名前の通り、果肉は鮮やかな赤色で、甘みが非常に強いのが特徴です。
●味のひみつ
石川県金沢市の粟ヶ崎・五郎島地区を中心に生産されている小玉西瓜の主力品種。紅小玉の系列ですが、痛みにくく、面積あたりの収穫量が多いのが長所。また、小玉の中では比較的大粒に成長します。
●マダーボール、ラビット、スィートボールなど
ラグビーボールに似た細長い楕円形が印象的。 交配した種苗会社や、産地によって微妙に品種・名前が違っていますが、共通していえることは肉質がやわらかく、皮が薄いことです。
●黄小玉
果肉の黄色い小玉スイカです。紅小玉が出てくるまでは、小玉スイカの主流はむしろ黄小玉でした。 |
見分け方 |
|
おいしい小玉スイカの見分け方は以下のポイントを参考にして下さい。
1.縞が太くつやが良いもの。
2.ツルがついている部分の輪が大きいもの。
3.花落ち(お尻)部分の輪が小さいもの。
4.手でたたいてみてポンポンといい音がするもの。
ただし、これらは絶対的なものではなく、外見から甘さ・鮮度を判断するのはプロでも難しいものです。消費者からの反応、自らの試食等で、おいしいスイカがどれなのかを一番よくわかっているのはやはりお店の人。良心的なアドバイスをしてくれる店員さんがいるお店で聞いてから買うのが一番の方法です。 |
効用 |
|
①疲労回復
スイカにはたくさんのミネラルが含まれています。その中でも特にカリウムが豊富。カリウムは疲労した筋肉を素早く回復させる働きがあります。
②むくみが取れる
シトルリンというアミノ酸は、尿成分を作るのに役立ちます。スイカを食べると利尿作用が高まり、体のむくみが取れるという効果があります。
③熱をさます
夏場にスイカをがぶがぶ食べるのは、水分補給のためだけではありません。スイカには体温を下げるという効能があるので、氷水を飲むよりもずっと“涼しい”気分を味わえるのです。体のほてりをさますにはスイカが最適です。また、高血圧を抑制するのにも効果的です。 |
スイカの種と盲腸 |
|
「スイカの種を呑み込むと盲腸(虫垂炎)になる」とよく言われます。これは本当でしょうか。
スイカの種ほど「出すか、呑み込むか」の微妙なラインにあるものはないでしょう。実際には、子供に「種は出すもの」としつけるための方便として、先人が考え出した上手い表現であるようです。スイカの種自体に盲腸炎を引き起こす原因があるわけではありません。
しかし、消化されないままに種が虫垂にひっかかり、結果的に盲腸炎を引き起こす可能性がないではありません。ですから、「真っ赤なうそ」とも言い切れないわけです。 |