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果実の知識

石川アールス
earls melon
~地元石川が育んだ色白美人~
私たちが住む石川県には全国の高級メロンにひけを取らない優秀なアールスメロンがあります。その名もそのまんま「石川アールス」!
このメロンの最もすばらしい点は、肌が白くてきれいなところ。石川県の女性と同じです。また、(地元だから当然とはいえ)金沢市中央卸売市場に入荷するメロンの中で最も鮮度がいいということ。日持ちの点でも優秀。もちろん味も最高です。
石川アールスは夏と秋の年2回、それぞれ1~2ヶ月ずつ出荷されます。
夏はお中元シーズンと重なり、また秋は全国的にアールス種が少ない時期なので、どちらのシーズンとも引っ張りだこです。
石川県におけるメロン栽培の歴史
昭和51年に松任市でハウストマトの後作として、また昭和52年に金沢市下安原町のハウススイカの後作としてメロン作りが導入されたのが石川県におけるメロン栽培の始まりです。砂丘地におけるメロンの栽培は全国で初めてであり、当時の生産者は栽培に対して大きな不安を抱えていたといいます。しかし、県砂丘地農業試験場でメロンの栽培技術が確立されたことが追い風となり、導入が推進されました。
その後各地に普及し、昭和61年から春作メロン(半促成)が始まりました。当時の主流は「フカミドリ」というネット系メロンでした。
1980年後半より「もっといいものを作って、石川産のメロンを世にアピールしよう」という機運が高まり、アールス種の導入が盛んになりました。その後、アールス系でもいろいろな品種(アールスセイヌ等)で試行錯誤を繰り返し、2000年前後よりアールス・ナイト種が主流となり現在にいたっています。
産地
栽培の中心地は金沢市の打木・下安原地区、松任市、能登の内浦町です。
金沢市農協では、生産農家は約50人。多くは、春メロン(夏に出荷)と秋メロンのどちらか一方だけを作ります。というのは、メロンというのは連作障害が起こり、両方を同じ畑で作ることはできないからです。
出回り期
シーズンは夏と秋の2回。
金沢市農協・・・夏 7月上旬~8月中旬   秋 9月中旬~10月下旬
松任市農協・・・夏 7月中旬~8月下旬   秋 9月下旬~11月
内浦町農協・・・夏 7月中旬~8月上旬   秋 11月上旬~11月末
品種
アールス・ナイトはやや細長い外見が特徴。作り易さ、出来上がりの美しさに優れるため、石川アールスの中心的品種となっています。このほか、ベネチア種も作られています。
食べごろ
石川アールスは収穫してからも熟度が進行します。収穫したてはまだ若く、日に日に成熟して最もおいしい時期を迎え、その後急速に劣化します。せっかくですから、一番おいしい時を見逃さずに食べたいものです。

1・お尻の硬さ
メロンの下部を指で押してみて少し弾力がある状態が食べごろ。お尻が硬い時は果肉も硬く未熟です。また、やわらかすぎるのは熟れすぎです。

2・匂い
メロン特有のかぐわしい香りが強くなってきたら食べごろ。
保存方法
買ったメロンは、冷蔵庫には入れず、常温で保管してください。
ただし、食べごろとなり「今日食べよう!」となった場合は食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れて冷やしておくと、いっそうおいしく召し上がれます。ただし冷やしすぎは禁物。味が落ちてしまいます。
栄養
■カリウムが豊富で、可食部100g中に350mg含みます。カリウムは体内から排出されるときに必ず塩分を伴って出て行くので、塩分をとりすぎる傾向にある現代人にとっては非常に効果的であるといえます。
■最近の研究で、温室アールスにはGABA(ギャバ)というγ-アミノ酪酸が多量に含まれることが明らかになりました。GABAは高血圧を予防する働きがあります。
■メロンに含まれるパントテン酸は、コレステロールを減らし、脂肪がたまるのを予防する効果があります。
■その他、温室メロンには血流をよくし、脳血栓・心筋梗塞を予防する効果があります。
アールスメロン雑学
☆メロンのアンテナ
青果業界では、メロンのTの字型のつるのことを「アンテナ」と呼ぶことがあります。もちろん形がテレビのアンテナに似ていることからついた名前。このアンテナがピンとしているかどうかは結構重要で、鮮度の目安となり価格にも影響してくることになります。
アンテナは温室アールスにだけついてくる飾りです。温室アールスと他のメロンを区別するために行っている商習慣なのです。

結婚式につきもの
アールスメロンは結婚式の引き出物によく使われます。これは値段が高くて高級というだけでなく、その形の特徴にも理由があります。
「つる」が付いていることが「鶴」を、表面のネット模様が「亀の甲羅」を連想させることから縁起の良い果物として使われるようになったのです。中にはネット模様をうまくアレンジして「祝」「寿」などおめでたい文字を浮き上がらせたものもあります。
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