歴史 |
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原産地はロシア南部のコーカサス地方(黒海とカスピ海に挟まれたカフカス山脈の南側の丘陵地帯)です。ここから地中海沿岸の国々に渡り、さらにそこからフランス・ドイツ方面に広がり、19世紀にはベルギーやイギリスに導入されました。
日本には1899年(明治32年)にイギリスから苗木が輸入されたのが最初という説があります。その後、1907年(明治40年)に大阪で鉢植え栽培が始まったという記録があり、京都や草津などでも栽培が試みられたようです。
岡山県で栽培が始まったのは1921年(大正10年)からと考えられています。その後、フランスで誕生した枝変わり種(紫葉系コールマン)が輸入されると栽培が盛んになり、昭和初期には岡山県内でたくさんの温室が建てられました。 |
名前の由来 |
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元々の名前は「ドドレーラビ(Dodrelabbi)」といい、ドイツに渡って「グロス・ケルネル(Gros kölner)」と呼ばれ、その後フランス、ベルギー、オランド、イギリスといったヨーロッパ諸国に伝播していくうちに「グロー・コールマン(Gros colman)」という名になりました。
「Gros」は「巨大な」、「Colman」はドイツ語「Köhle」=「石炭」に由来し、さしずめ「粒が大きく、石炭のように黒いぶどう」という意味合いで付けられたものでしょう。 |
産地 |
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岡山県が全国生産の98%を占めています。岡山市・倉敷市が栽培の中心地。
露地栽培の困難な品種であるため、全量がガラス室のハウス栽培で作られています。 金沢市中央卸売市場では、岡山県温室農協のコールマンを潤沢に入荷・販売しています。 |
出回り期 |
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コールマンはぶどうの中でも最晩生の品種であり、出荷時期は10月下旬から1月中旬。出始めの10月は微々たる量で11月中旬より本格化、12月にピークを迎えます。
冬場の短期間流通であり産地もほぼ岡山、だいたいが贈答用とあって、他のぶどうよりは価格的にも安定しています。 |
見分け方 |
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粒が丸くて大きさが揃っており、黒紫色が濃いものを選びましょう。また、つるが青々としたものが新鮮です。
また、白い粉(ブルーム)がふいているものは、かびや農薬ではなく、ぶどう糖分が果皮に出てきたものなので、甘くておいしい証拠です。 |
保存法 |
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コールマンは果皮が薄く、裂果しやすいので取扱いには注意が必要です。あまり乱暴に扱わないようにし、購入後はポリ袋に入れて冷蔵庫で保存してください。 |
栄養 |
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ブドウ糖・果糖が多く、疲労回復に効果的です。
ビタミンCは少なめですがミネラルは豊富であり、鉄・カルシウム・カリウム・銅・亜鉛・ペクチンなどがまんべんなく含まれます。
また、パントテン酸が豊富で、酸や脂肪酸の分解を促進し、胃腸障害・皮膚の角質化を防ぎます。 |