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果実の知識
紋平柿
カキノキ科カキノキ属
~石川県特産の柿です~
石川県独自の柿で、渋柿の一種です。柿の中では極めて大型。果重は240g~280gもあります。形は上から見るとまん丸、横から見ると果頂部がとんがっていて厚みがあります。
色は鮮やかな橙紅色。種はほとんどありません。
肉質はなめらかで、弾力のあるソフトな歯ざわりを持っています。
柿の来歴
柿の来歴については根拠となる資料はありませんが、自然分布は東洋に限られています。史書の最初の記事としては、「新選姓氏録」があります。この中に、“歌人・柿本人麻呂は家に柿の木があったことからこの姓を名乗った”という記述があります。このことから、約1400年前には柿の栽培があったことがわかります。また、柿の学名は[ディオスピーロス・カキ](ラテン語)で、「神から与えられた食べ物」という意味を持っています。古来ヨーロッパでも珍重されていたことを示しています。
由来
高松町元女(がんにょ)に、家号が「紋平さ」と呼ばれる家があり、その家の庭には樹齢100年をはるかに越えると思われる大きな柿の木があります。その呼び名にちなんで「紋平柿」と言われるようになりました。地元では手軽にアルコール(焼酎)で脱渋(だつじゅう・・渋みを抜くこと)して自家用として食されてきました。味がよいので人気がありましたが、アルコール脱渋では渋は抜けても表皮が黒く変色してしまい、商品化がなかなか進まなかった経緯があります。
アルコール液が直接果実に触れるのを避け、気化したアルコールを使用する方法を県砂丘地農業試験場が開発したことで、紋平柿はようやく商品化に辿り着くことができました。
そして今では脱渋の方法をさらに進化させ、施設を整備してガス脱渋の方式に切り替えました。これによって紋平柿は品質が均一化するとともに「たな持ち」も良くなって、より広いエリアにも流通できるようになりました。
脱渋
渋柿が“渋い”のはタンニンという成分があるからです。脱渋処理によってタンニンは液体に溶けなくなり、その結果食べても渋さを感じなくなります。“渋を抜く”という言い方から渋みの成分がなくなってしまうように思われがちですが、タンニンは残ったまま。感じなくなるだけなのです。

渋柿の脱渋にはいろいろな方法があります。
湯抜き法、アルコール抜き法、ガス抜き法(炭酸ガス、ドライアイス)、凍結脱渋法、樹上人工脱渋法、梨烘(りきょう)法、石灰漬け法、燻煙法など。現在、の主流は炭酸ガス脱渋法です。
生産状況
10月下旬~12月上旬がシーズン。
ピークは11月。石川県羽咋市以南の宝達山系の山麓地帯から金沢市にかけて栽培されています。その中でも最も生産の盛んなのが高松町(石川県河北郡)です。石川県全体で生産する柿のうち、約1/4が紋平柿です。
選び方
色が濃く、つやがあるものを選びましょう。
また、ヘタが大きく、実との間にすきまがないものが良いとされています。(虫や水が入らないため。)
形は、左右均一に尖っているものがきれいです。
保存方法
紋平柿はもともとが柔らかみを持つ柿であり、脱渋後もさらにやわらかさが増します。このため、他の柿に比べてあまり日持ちがしないという面があります。紋平柿がこれまで地元石川県内で大部分を消費されてきたのはそのためです。
保存は冷暗所に。脱渋処理後7日~10日が可食の目安。店頭で購入したら、早めに食べきるようにして下さい。
栄養価
ビタミンCがとても豊富で、1個食べると1日に必要なビタミンCをほぼ満たすことができます。また、ブドウ糖や果糖、ビタミンB1、B2、P、E、カロテンも含まれ、栄養的には非常に充実した果実といえます。
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