由来 |
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古代、日本海を北上して能登に漂着した海びとがこの里奥に住み着いて、暮らしを始めた際に食したという説、また、安土桃山時代にキリシタン大名の高山右近の子孫が隠れキリシタンとしてこの地で身をひそめた際に伝わったとする説などがあります。
志賀町では1988年から本格的に開発育成に取り組み、出荷体制を拡大しました。 |
産地 |
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能登半島の中ほどに位置する、石川県志賀(しか)町の特産。志賀町は西に日本海・東に眉丈山麓の丘陵が広がる地です。
山里に散在する集落の家々に橙色の柿の実が吊るされる光景は、静寂な秋の山里風景とマッチし、能登の風物詩として心を和ませてくれるものです。 |
出回り期 |
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志賀名産のころ柿の出荷は、12月初頭から始まりほぼ12月いっぱいで出尽くすといった、丁度1ヶ月にわたる短期商材です。お店には1月半ばぐらいまで出回る形になるでしょう。地元石川県を中心に、関西方面にも数多く出荷されます。 |
品種 |
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能登のころ柿は渋柿を使用して作られています。
95%を占めているのが最勝(さいしょう)という品種です。その他、平核無(ひらたねなし)、日本(にっぽん)という品種もごくわずかに使われています。 |
生産工程 |
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ころ柿は最終的には1個ずつセロハンで巻いたとてもきれいな形で出荷されます。その生産過程はとても手間と日数のかかるものです。まさに手作りの風味。
生産工程>>
①収穫
収穫したての最勝柿です。最勝柿は志賀町特有の品種で、品質・形状の良さから、志賀のころ柿のほとんどがこの柿から作られています。 |
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②皮むき(1)
動力皮むき機を使ってまわりの皮をむきます。ほんの数秒でむけてしまいます。 |
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③皮むき(2)
へたのまわりの皮をむきます。ナイフはこの作業のためだけに作られた特注品で、微妙なカーブが施されています。 |
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④吊るし作業
2個をセットにして糸でくくり、竿にぶらさげます。 |
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⑤硫黄燻蒸
燻蒸(くんじょう)庫へ入れます。ここで硫黄を燃やし、いぶすことによって雑菌が殺菌され、乾燥期間中の発酵や腐敗を防止できます。また、ころ柿がきれいなアメ色になるのも燻蒸の効果です。 |
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⑥自然乾燥
燻蒸が終わると乾燥場へ移動します。 |
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⑦手もみ
表面に皮が張ったようになり、柿の中身がほぐれるような状態になったら、1個ずつ丹念に手で揉みます。これが大変手間と時間のかかる作業です。
手もみすることによって水分や肉質が均一となり、渋みも抜けやすくなります。 |
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⑧火力乾燥
次は火力乾燥です。今度はストーブやヒーターのたかれた部屋で1週間ほど乾燥させます。
室内は温度・湿度調整が徹底され、柿の様子を見ながら場所を移動させたり、必要ならば2度目の手もみを行ったりと、1個ずつにきめこまやかな管理を施します。
この過程で柿の渋みは完全に抜け、重さも皮むき時の35%ぐらいに減量されます。 |
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⑨粉出し
乾燥作業は終了しましたがまだまだ仕上げが残っています。
涼しい場所で2~3日放置すると、果肉の水分と糖分が表面に出て乾き、白い結晶となります。いわゆる粉をふいた状態です。こうしてころ柿は、独特なアメ色に初雪が舞ったようなきれいな外観を完成させるのです。 |
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⑩包装
仕上がったころ柿を1個ずつセロハンに包みます。さらに大きさと色合いの揃ったものを集めて箱につめます。
以上の工程をすべて各生産農家が行います。
箱詰めされたころ柿は農協の選果場に集められ、等級・階級が定められ、最後に箱ごと真空パックし、ようやく商品として完成します。
ころ柿がいかに手間と時間をかけて作られているかがおわかりでしょう。 |
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保存方法 |
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暖房のない常温の場所に置き、果肉のやわらかいうちに食べきるのが一番ですが、ビニール袋に密閉して冷凍すると、長期間の保存ができます。 |
栄養価 |
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柿に含まれるビタミン類は干し柿になっても健在。
また、干し柿にすると水分が抜け、食物繊維の含有率が際立つことになります。食物繊維は整腸作用に優れ、腸のバランスを整えてくれます。また、コレステロールを吸収して一緒に排出してくれます。
ころ柿の表面に付く白い粉は乾燥によって糖分が飽和状態となり、表面に結晶化したものです。その成分は果糖とブドウ糖です。 |
干し柿とあんぽ柿 |
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干し柿はとても地域性のある食べ物で、各地に特産品があります。
干し柿・・・志賀のころ柿は漢字で書くと「枯露柿」。水分が25~30%のもの。志賀町のほか、富山の干し柿、長野の「市田柿」や山形の「蔵王つるし柿」も干し柿の仲間です。
あんぽ柿・・・水分が50%程度の干し柿。水分が多い分、ころ柿よりもやわらかいのが特徴です。石川県のお隣・富山県の三社柿を使ったあんぽ柿が有名です。 |