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果実の知識

干し柿
~現代に受け継がれた生活の知恵~
最近はいろいろなドライフルーツが世に出回っていますが、日本には大昔から非常にすぐれた乾燥果実がありました。もちろん、それは「干し柿」です。
干し柿の大部分は渋柿をもとに作られます。日の光を浴びてゆっくりと水分を抜いていくうちに渋味が抜けて甘くなるのです。最初にこれを発見した人は偉大ですね。
渋柿を食用にしようという知恵、非常食として保存しておこうという知恵、縁起物として珍重しようという知恵、そして日常、お茶菓子として暮らしを豊かにしようという知恵・・・干し柿の歴史は、生活の知恵の変遷でもあります。
歴史
日本の歴史に初めて干柿が登場するのは平安時代中期の法典「延喜式」です。ここに祭礼用のお菓子として干柿が出てきます。
一方、甘柿の登場は鎌倉時代以降と考えられていますから、干柿の歴史は甘柿よりも古いことになります。それまで日本には渋柿しかなかったわけで、人々は知恵を絞って渋を抜く方法を探ったのでしょう。干柿は貯蔵が効くので、非常食或いは数少ない嗜好品として各地で普及し、主に農家の副業として代々受け継がれてきました。
製法も時代を経て改良・変化していきます。古くは枝ごと天日乾燥する原始的なものだったようですが、やがて串に刺した串柿となり、明治以後は現在のようにヘタを紐で結んでぶら下げる干し方になりました。先人の生活の知恵が現在まで受け継がれてきたのですね。
出回り期
産地や種類によりますが、毎年10月からちらほらと出始め、12月の歳末商戦でピークを迎えます。干し柿は加工品ですから、生産者サイドとしても年末に出荷を合わせてくるわけです。年が明けると量は激減しますが、3月頃まで少量ながら出回ります。
ただし最近、真空パックにすることで賞味期限を大幅に延ばす試みもなされているので、技術的には周年の供給が可能です。一年中手に入る時代になるかどうかは、干し柿への需要にかかっています。
産地
日本国内で最も干柿栽培が盛んなのは福島県で、全国生産量の約4割を占めます。次いで長野県、山梨県と続きます。また、中国産干柿も今やすっかりポピュラーになり、干柿流通の1割ほどを占めるようになりました。
当社が取り扱う干柿については圧倒的に地物石川県産がメイン。石川県の志賀町を中心として作られる「ころ柿」は能登の特産品です。
またお隣の富山県でも干柿栽培は盛んであり、「あんぽ柿」「福蜜柿」「干柿」等の商品が毎年潤沢に入荷されています。
保存方法
暖房のない常温の場所に置き、果肉のやわらかいうちに食べきるのが一番ですが、ビニール袋に密閉して冷凍すると、長期間の保存ができます。
栄養
もともと栄養価の高い生柿が、干すことでぎゅっと濃縮されたわけですから、当然干柿も非常に健康的な食品です。柿に含まれる多くの果糖やビタミン類は干し柿になっても健在。昔から二日酔い防止、高血圧予防に効果的といわれてきました。また、豊富な食物繊維は整腸作用に優れ、腸のバランスを整えてくれます。コレステロールを吸収して一緒に排出もしてくれます。
また、表面の白い粉(柿霜-しそう)は漢方では咳や喉の痛み・口内炎に効果があるとされています。

こうした優れた点は多々あるも、注意点が2つほどあります。
1)カロリーが高い
干柿1個はペロリと食べられますが、もともとは目方にして約4倍の生柿です。当然エネルギー量も4倍に濃縮されています。食品成分表によると可食部100g中、生柿が60kcalなのに対して干柿は276kcal。調子にのって何個もパクパク食べていると太ってしまうこともありますからご用心。

2)ビタミンCが少ない
ビタミンCは生柿には豊富ですが、干柿になるとほとんどなくなってしまいます。乾燥させていく過程で徐々に失われてしまうのです。
雑学
☆乾燥方法あれこれ
・天日乾燥・・・軒下に吊るして、お日様の光を浴びさせることで干す伝統的な方法。その様子は秋の農村の風物詩です。
・火力乾燥・・・室内に吊るし、火力で温度を調節することで均一に、短期間で仕上げることができるようになりました。
・遠赤外線乾燥・・・最新技術であり、最近この方法を取り入れる生産者が増えてきています。遠赤外線を使うときれいな飴色のまま乾燥され、大変美しく仕上げることができます。

☆硬くなった干柿の食べ方
干柿は時間が経つにつれて硬くなり、やがてはカチンカチンになってしまいます。こんなときには次の方法で軟らかくして食べてみてください。
お試し① アルミホイールに包んでオーブンで焼くと軟らかくなります。
お試し② 天ぷらにする。衣はうすい方がよいでしょう。
お試し③ 細く切ってからなますに入れる。柿なますというものです。
お試し④ 酒に浸して数日置くと軟らかくなります。アルコール類はお好みでブランデー、ウィスキー、ワインなどでも可。

☆和菓子のお師匠
『和生菓子の甘さは干し柿をもって最上とする』という言い回しがあります。
日本人にとって、干柿の甘さには特別の思い入れがあるのかもしれません。昔から今にいたるまで、和菓子の甘さの基準として干柿がよく引き合いに出されます。これ以上糖度が高くなってしまうと甘すぎてかえって風味を損なうという意味でしょう。

☆白い粉
干柿の表面にはよく白い粉が吹いていますが、もちろんカビではありません。正体は果糖とブドウ糖が表面に出て結晶化したもので、「柿霜(しそう)」といいます。柿霜は砂糖がなかった時代、大変貴重な甘味料でした。柿霜がたくさん吹いていることは、おいしくて甘い干し柿の証明でもあるのです。
干柿の種類
①ころ柿
漢字で書くと「枯露柿」。水分がもとの生柿の25~30%程度になるまで干しあげたものです。卵に例えれば“ゆでたまご”。一説に、すだれの上で半乾燥の柿をころがして作っていたことから「転柿(ころがしがき)」と呼ばれ、そこから「ころ柿」という名になったと考えられています。
石川県の能登地方で栽培が盛んで、特に志賀町(しかまち)のころ柿は地元の特産品。詳しくは「ころ柿のページ」をご覧ください。

②あんぽ柿
水分が50%程度の干し柿。水分が多い分、ころ柿よりもやわらかいのが特徴で“半生(はんなま)”のイメージです。卵に例えれば“温泉たまご”。多くは遠赤外線を使って半乾燥状態のままで渋味を抜きます。
石川県のお隣・富山県のあんぽ柿は有名です。
富山県での干柿作りは、砺波平野の南部に位置する福光町、城端町が中心地で、そのほとんどが三社(さんじゃ)という品種を使用しています。
江戸時代初期、「鼻毛の名君」で知られる加賀藩三代藩主前田利常が鷹狩をした折、一人の老人が干柿を献上したところ非常に喜ばれたという話があり、それ以来前田家では干柿を愛好し、それに伴い富山県内の干柿作りも盛んになったと伝えられています。

③市田柿(いちだがき)
長野県特産の干柿。「市田柿」は品種名でもありますが、多くが干柿に使われます。長野県下伊那郡高森町の市田地区が発祥の地と考えられており、この名がついたようです。軒先につるされた「柿すだれ」の風景は秋の伊那谷の風物詩としても有名です。形態・製法的にはころ柿に属するといえましょう。
生の市田柿は長野県を流れる天竜川上流の伊那谷を中心とする在来の品種で、100g程度の小ぶりの渋柿です。肉質が緻密で軟らかく、干柿に向いています。

④串柿
「串柿」はお正月の鏡餅に添える縁起物です。あくまでも飾り用であり、とても硬いので実際に食べる人は少ないでしょう。
金沢市中央卸売市場で取り扱う串柿は、富山県氷見産のものです。

⑤つるし柿
山形県上山(かみのやま)市特産。当地特産の紅柿で作ったものを「紅つるし」、平核無柿で作ったものを「蔵王つるし」として出荷しています。
軒先に何十個もの柿を1列につなげてぶら下げるすだれの風景は圧巻で、蔵王山から吹きつける冷たい風にさらされることで渋が抜け、甘さが増します。真っ白に粉を吹いた干柿を太くて長いビニール袋にぎゅうぎゅう詰めにする商品形態はとてもユニークで、贈答用として全国的に人気があります。

⑥中国産干し柿
中国の山東省が生産の中心地です。
日本には箱にぎっしりと詰められた形態で輸入されます。それを日本でパックして販売するという流れが一般的です。
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