歴史 |
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せとかは、昭和59年に長崎県にある、農林水産省果樹試験場口之津支場(現・独立行政法人果樹研究所)によって開発され、平成10年に育成を完了し品種登録されました。品種名の「せとか」は、開発に取り組んだ試験場(長崎県口之津町)から望む「早崎瀬戸」という地名や、瀬戸内地方での栽培が期待されること及びこの品種のもつ良香にちなみ名付けられました。
「清見」と「アンコール」の掛け合わせに「マーコット」を交配させて出来たタンゴールで、清見のジューシーさ、アンコールの甘さ、マーコットの歯切れのよい食感と、三者それぞれの長所を併せ持った品種です。果実の大きさは200~300g程度で、果皮は赤橙色をしており、非常に薄くて滑らかで、果汁はコクのある甘みと酸味がマッチした非常に上品な味わいです。温州みかんのように内皮(じょうのう)ごと食べられるため贈答用としても人気があります。毎年多くの品種が開発されては淘汰するなか、「せとか」は晩柑類の激しい品種競争に勝ち残った優秀な柑橘といえます。 |
出回り期 |
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2月~3月頃にピークを迎えます。金沢市中央卸売市場には長崎、愛媛、佐賀県から入荷しています。 |
金沢市中央卸売市場での実績 |
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金沢市中央卸売市場での「せとか」の取扱高推移
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平成18年度 |
平成19年度 |
平成20年度 |
平成21年度 |
平成22年度 |
重 量 |
17,300 |
17,226 |
36,661 |
47,870 |
45,303 |
金 額 |
13,243,700 |
12,192,600 |
21,231,090 |
23,082,780 |
26,983,530 |
卸売単価 |
766 |
708 |
579 |
482 |
596 |
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選び方 |
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握りこぶしほどの大きさで凹凸が少なく、橙色が濃くツヤのあるものを選びましょう。 |
保存方法 |
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皮が薄い分、伊予柑や八朔に比べてデリケートなので、丁寧に扱ってください。温度が高い場所に置いておくと果皮が乾燥ししおれてくるので暖房の効いた部屋での保存は避けましょう。逆に冷えすぎも低温障害を引き起こしますので、冷蔵庫に入れる必要はありません。直射日光を避け、常温下で保存するのがよいでしょう。 |
食べ方 |
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外の皮が柔らかいので手で簡単にむくことができ、内皮(じょうのう)も薄いのでそのまま食べられます。外皮が薄くてむきにくい場合は、ナイフで八つ切りにして食べるとよいでしょう。 |
栄養価 |
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ビタミンC、A、B1が豊富なため、風邪予防や美肌効果が期待できます。小袋ごと食べられるので食物繊維をとることができ、食物繊維は腸の老廃物を掃除し、腸の働きを整えてくれるので、便秘の解消に役立つとされています。 |
姉妹の紹介 |
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麗紅(れいこう)
果実は扁円形(長円形)で、果実の大きさは200g~300g程度と、タンゴールタイプとしては比較的大玉です。せとか同様、果面は滑らかで美しく、果皮は非常に薄く手で簡単にむくことができ、鮮やかな赤橙色をしています。果汁が多くオレンジ、マーコット香の混合したような芳香があります。12月下旬までに完全着色となり、収穫期は1月中下旬で「清見」「せとか」より早熟です。 |
レシピ |
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せとかジャム
材料
せとか…3個、砂糖…100g、レモン汁…1/2個
① 保存用の瓶を煮沸消毒しておきます。せとかは良く洗ってヘタを取ります。
② ①のせとかを皮ごと薄いイチョウ切りにし、レモン汁、砂糖と一緒に鍋に入れ、煮つめてゆきます。途中、強火
にしたり、弱火にしたりして灰汁を丁寧に取り除きます。
③ 軽くとろみがついたら、煮沸しておいた瓶に詰めて完成です。
冷蔵庫で保存し、パンに塗ったり、ヨーグルト、お菓子に混ぜても美味しくいただけます。 |