セミノールとその姉妹 |
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ミカン類とブンタン(又はグレープフルーツ)との雑種の総称を“タンジェロ(タンゼロ)”と呼びます。セミノールには同交雑の姉妹がいます。それがミネオラオレンジ。セミノールとミネオラは、タンジェロの一種。しかもどちらもアメリカ・フロリダ州でダンシー・タンジェリンとダンカン・グレープフルーツを掛け合わせて誕生したもので、同じ親を持つ姉妹関係にあたります。
しかし、姉妹といっても、形は全く違います。セミノールは普通のミカンのようですが、ミネオラはデコポンのように頭がポコンと出ています。また、セミノールは国内で広く栽培されていますが、ミネオラはほとんどがアメリカからの輸入品です。気候の関係で国内で栽培するのが難しいそうなのです。姉妹なのに不思議ですね。 ただ、味や香りは“なるほど、姉妹かも”と思わせる共通したものを持っています。人間でも顔やプロポーションは全然違うくせに、性格は結構似てるっていう兄弟・姉妹って多いですよね。セミノールとミネオラもそういう関係なのかもしれません。 |
出回り期 |
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ミネオラは2月後半から5月中ごろまでがシーズンで、3月と4月がピーク。
セミノールは3月末から5月中ごろまでがシーズンで、4月から5月上旬がピークです。 |
見分け方 |
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表面の色が濃いものを選ぶこと。 また、持ってみて重量感のあるものがジューシーです。 |
保存方法 |
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もともと日持ちがよいフルーツですが、普段は冷暗所に置いておくのが良いでしょう。暖かい時期ならばポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておくと良いでしょう。 |
栄養 |
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ビタミンCが多く、ビタミンA・ビタミンEも含み、風邪予防・成人病予防・食欲増進・ストレス解消・美肌保持などに効果的なヘルシーフルーツです。また、食物繊維も豊富な上に最近注目のβクリプトキサンチンも含まれ、ガン予防への効果が期待されています。 酸の主体はクエン酸で疲労回復の効果があります。 |
姉妹の紹介 |
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●セミノール
みかんに近い形ですが、独特の芳香と非常に鮮やかな赤橙色が特徴的。表面はとてもなめらかで、皮は大変薄くできています。果重は平均160g。収穫時期は3月中旬から下旬ですが、酸が多いフルーツで、収穫後に酸が抜けるのを待って出荷されます。
1910年代にフロリダ州・オーランドの米国農務省の試験場で生まれました。わが国には1955年(昭和30年)に田中長三郎博士がカリフォルニア大学を通じて種子で導入し、三重県の桂清吉がその枝変わりを育成することで産業化の波に乗りました。
●ミネオラ
デコポンのようにヘタの部分がポコンと出っ張っているのが特徴。また、表面の深く濃い赤橙色もミネオラならでは。なめらかで美しい果皮を持っています。
果実は100~150gで普通みかんより少し大きい程度。果肉は柔軟多汁、独特の強い芳香があり、濃厚な食味を楽しめます。皮も手でむけ、種もあまり無く、非常に食べやすいフルーツです。 |