みかんの歴史 |
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ミカン類の原産地は、約3000年前のインド、タイ、ミャンマー(旧ビルマ)辺りです。最初に栽培されたのは中国で紀元前22世紀ごろ。日本での歴史も古く[日本書記]や[魏志倭人伝]にも橘(たちばな)として登場してきます。
温州みかんのルーツについては鹿児島県の長島東町が原産地とされています。15世紀の初め中国の天台山に留学した僧侶が帰国の途中に温州(現在の浙江省温州府)を通って温州みかんに似た果実を買って帰り、天草の長島の寺で種を播いたとされていますが、これは少し懐疑的です。いずれにしても、温州ミカンの名前の由来は、中国の温州府から来ていることは事実です。そして、ここから九州に伝播し、和歌山に伝えられ一大産業となり、寛永年間(1634年)江戸に出荷され名前がひろがりました。
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時期によるみかんの呼び名 |
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1・ハウスみかん・・・ハウス栽培によって、5月~9月ごろ出回る。
2・極早生みかん・・・露地栽培物の先陣を切る。9月~10月。
3・早生(わせ)・・・10月~11月。
4・普通みかん・・・・12月~3月。
(他にも中生・・早熟系普通みかん。11月下旬~12月中旬、晩生・・1月~3月の2種を入れて区別する場合もあります。) |
表年(おもてどし)・裏年(うらどし) |
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みかんには、毎年同じように栽培していても生産量の多い年と少ない年が1年交代でやってくる現象があります。これを隔年現象といい、多い年を表年、少ない年を裏年と呼んでいます。 |
見分け方 |
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1)色・・・・・・・より赤い方が美味しい
2)形・・・・・・・横から見て平たい方が美味しい
3)感触・・・・・・しっとりとすべすべしたほうが良い
4)へたの切り口・・小さい程美味しい
5)じょうのうの数・10袋以上あるみかんは美味しい |
みかんの皮 |
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ミカンの皮は果皮といって、表面上の色の付いた部分をフラべト、その内側の白い海綿状のものをアルベト(すじ、維管束)といいます。中にはミカンの房が並んでつまっていますが、この房は、じょうのう(小袋)と砂じょう(子袋の中身)からできています。
みかんの皮をむく時には成り口(へた)の方からむくと皮がきれいにむけます。また、手が汚れると思う人は、初めに四つ割にしてから皮をむくと皮がきれいにむけます。 |
保存法 |
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暗い涼しい所で保存してください。又、箱を裏返しにして置くとよいでしょう。ポリ袋にいれて冷蔵庫に入れておくのも良いでしょう。 |
たくさん食べると手が黄色くなるのは? |
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冬になるとこたつに入りながら、かごに山盛りになったみかんをほおばる・・・今でもこうした風景は日本の家庭独特のものです。 さて、みかんを一度にたくさん食べて、手が黄色くなってしまった経験がありませんか?これはみかんの中に含まれる黄色の色素が毛細血管を通じて肌の末端に染み出してくることで起こる現象です。もちろん病気などではありませんからご安心を。ただしくれぐれも食べすぎには注意しましょう。 |
おいしさの要素 |
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くだもののおいしさを測るのによく引き合いに出されるのが糖度と酸度。甘さ(糖度)が強く、すっぱさ(酸度)がほどよいものが良いというわけ。お店では「糖度○○度以上保証!」などと書かれた宣伝文句も見かけます。皮をむかずに糖度を測定する「光センサー」の開発によって、安定した品質をそろえられるようにもなりました。 みかんの場合、「糖度12度以上、酸度0.9%以下」がおいしいみかんの一つの基準と言われてきました。しかし最近、「本当のおいしさは、糖度と酸度の単純な数字だけでは測れない」という意見が強くなってきました。これからは糖度・酸度に加え、「こく」という要素も付け加えてみかんを評価しようという動きも出てきています。 味の好みは十人十色。万人がおいしいと感じる基準は作れるものではありませんが、くだものに携わる人間達もいろいろと試行錯誤しているのです。 |
栄養価 |
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その1・なんといってもβ(ベータ)クリプトキサンチン!
数年前、日本の学者によって大発見がなされました。それは「カロテノイド色素のβクリプトキサンチンに高いガン予防効果ある」というものです。 もともと、βカロチンに制ガン効果があることは知られていましたが、よく似た分子構造のβクリプトキサンチンにはβカロチンの約5倍の予防効果があることがわかったのです。このβクリプトキサンチンは特に日本の温州みかんに多く含まれており(輸入オレンジの約100倍も含有)、1日2個以上食べるとガン予防に極めて効果的です。
実際、日本人でミカンを多く食べている人の血液中のβクリプトキサンチン濃度は、欧米人より数十倍高くなっています。日本人にとってみかんが身近にあることは大変幸せというべきでしょう。 また、βクリプトキサンチンは体内に長く残ってくれるため、冬場にたくさんみかんを食べておくとその効果は夏まで持続するということも血液検査の結果わかりました。 みかんの効用は今、世界的にも注目されています。 また、βクリプトキサンチンは強力な抗酸化成分もあるので、ビタミンCと協力して活性酸素・酸化ストレスを軽減し、糖尿病を予防するとも考えられています。
その2・ヘスペリジン
みかんにはヘスペリジンというビタミン類が含まれています。これは主にみかんのじょうのう(袋)やすじに多く含まれているもの。
ヘスペリジンはさまざまな効果をもたらします。
①中性脂肪の減少 血液中の中性脂肪を分解し、脂肪値を下げます。
摂取量が多いほど心臓病にかかる率が低くなる傾向があります。
②血圧の抑制 毎日みかんを数個食べている人は、高血圧症になりにくいというデータが出ています。
ヘスペリジンにはビタミンCを活性化させて血圧を抑える働きがあり、高血圧症や脳卒中を予防します。
③血管の強化 血管の管を丈夫にする働きがあります。
みかんは実だけでなく、袋や筋ごと食べましょう。
その3・ペクチン
さらにみかんの筋や袋には、ペクチンという食物繊維が豊富に含まれています。ペクチンは整腸効果に優れ、便秘の解消・下痢の予防に大いに効果を発揮します。
なおさら、みかんは袋ごと食べましょう。
その4・クエン酸
みかんは甘さとすっぱさがほどよくブレンドされたくだものですが、そのすっぱさの正体がクエン酸です。クエン酸は体内の酸性物質を減少させる効果があるので、疲労感を取り除き、血液をさらさらにする効果があります。また、その結果コレステロール値を下げることにもつながります。
みかん1個で1日に必要なクエン酸量1gを摂取できます。
その5・痛風に効く
痛風は血液中の尿酸値が高くなりすぎた時に尿酸の結晶が指の関節などに溜まって痛みを引き起こす病気です。みかんを毎日食べると痛風にかかる率が低くなるデータ結果が出ました。みかんには尿酸値を下げる働きがあると考えられます。
その6・朝に最適
みかんの香りには人間の脳を覚醒させる効果と体の免疫力を高める効果があるとされています。また、睡眠中に失われるグリコーゲンや、脳のエネルギー源となる糖分の補充にも適しており、朝食でみかんを食べるのは1日のスタートとしては非常に良いといえます。
その7・ビタミンC
もちろん、みかんにはビタミンCも豊富に含まれ、1日2個で1日分に必要な量を摂取することができます。
その8・たくさん食べると太っちゃう?
みかんを多く食べることが肥満につながることはありません。
みかんに含まれる糖分は100グラムあたり10グラムで、30~40キロカロリーとなります。これはお菓子と比べると約10分の1に過ぎず、毎日何キロも食べ続けない限り肥満や糖尿病の原因になることはないと言えます。安心してたくさん食べましょう。 |