歴史 |
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現在のインド北東部からミャンマーにかけてが原産地と考えられています。
その地より東南アジアの亜熱帯地方に広がる一方、アラビア人の手によって西方にも伝播して地中海・西インド諸島・メキシコ方面に拡大していきました。 |
品種 |
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ライムには大きく分けて「メキシカンライム」と「タヒチライム」の二種類がありますが、日本に輸入されるものは大部分がメキシカンライムです。
メキシカンライムは1個50g程度の小ぶりのライムで皮は濃緑色。主産地はもちろんメキシコ。他にインドやエジプトでも栽培が盛んです。
タヒチライムは1個100g前後の大玉のライムで皮は黄緑色。主産地はアメリカのフロリダ。19世紀後半にタヒチ島からカリフォルニアに導入されたためにこの名で呼ばれるようになりました。 |
出回り期 |
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メキシコ産が1年中出回っています。 ライムは熱帯及び亜熱帯地域の国々で広く栽培されていますが、日本ではほとんど生産されていません。日本に輸入されているものは大部分(99%以上)がメキシコ産です。 |
見分け方 |
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グリーン色が濃く、色むらのないものを選びましょう。
ライムは他の柑橘同様、樹上で熟すると黄色になります。しかし、香辛食材としては酸味が強い方がよいので、まだ緑色の時期に収穫してしまうのです。
また、果皮が滑らかでツヤと張りがあり、重量感のあるものを。軽いものは中がぱさぱさして水分が抜けている場合がありますので注意が必要です。 |
保存方法 |
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ライムは酸が強いので、常温で放置しても数日間は大丈夫。
また、ラップに包むかポリ袋に入れて冷蔵庫に入れると数週間は保存できます。レモン同様、いつも切らさないようしておくと何かと便利です。 |
栄養 |
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ライムにはビタミンC、葉酸、カリウム、リン、カルシウムなど各栄養素がバランス良く含有されています。しかし、大量に食べる食材ではないので、これらの栄養素の恩恵は微々たるものでしょう。
ここではライムの効用として、その香りの高さに着目してみることにします。
ライムなどの「香酸柑橘類」は読んで字のごとく、一般の柑橘類に比べて香りが高く、酸っぱい性質を持っています。これはクエン酸の作用によるものです。クエン酸は糖質からエネルギーが生成される過程で、ビタミンB群とともに人体には欠かせない成分です。さらに、グリコーゲンを効果的に蓄積する役割も果たし、疲労回復に効果的です。また、高い香りには免疫機能とホルモンバランスを正常に保つ効果があり、心身をリラックスさせ、アロマテラピー(芳香療法)効果をもたらしてくれます。 |
使い方 |
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ライムは料理や飲み物につけあわせたることで美味しさや香りを引き立たせる名脇役です。同じ香酸柑橘類の仲間であるレモンやスダチ、カボスと同様、気軽にいろいろな料理に使ってみるとよいでしょう。
レモンよりも香りと酸味が柔らかく、わずかな苦味があるので、レモンをライムに代えるだけで今までとは違った風味が味わえます。
レシピ
■その1<パパイヤの付け合せ>
パパイヤには独特の匂いがあり、また酸味は全くありません。その点を嫌う人も多いのですが、それを補うのに最適なのがライムです。
①パパイヤを縦に半分に切り、種をとりのぞきます。
②ライムを1/4に切り、付け合せます。
③後はお好みにより汁をふりかけ、スプーンですくってたべるだけ。
こんな簡単なことで、今までパパイヤが苦手だった人もきっとおいしく召し上がれるはずです。
■その2<簡単カクテル>
・ライムと洋酒は相性がバッチリ。カクテルにはなくてはならない存在です。レモンで代用できますが、ライムの方が味がキリリと締まります。結構手軽に作れるので、ご家庭でもちょっとおしゃれな雰囲気を楽しめます。
・カクテル作りに重要なのはすべての素材をよく冷やしておくことです。洋酒、ライムは当然のこと、グラスもできれば冷凍庫に入れて氷点下に冷やしておくのがおすすめです。
・ライムを絞る場合に注意したいのはあまり強く絞りすぎないこと。強く絞るとライムの皮に含まれる苦味成分が出てしまいます。もっとも、程よい苦味こそライムのおいしさですから、絞り加減は好みの問題です。
A・モスコミュール
氷を入れたグラスにライム1/4個を軽く絞ります。ウオッカ適量(グラスの大きさにもよりますが、40ml~50ml程度)を入れ、ジンジャーエールを注ぎ、マドラーで軽くステア(かき混ぜる)して出来上がり。
B・ジントニック
氷を入れたグラスにライム1/4個を軽く絞ります。ジン適量(グラスの大きさにもよりますが30ml~45ml程度)を入れ、トニックウォーターを静かに注ぎ、マドラーで軽くステアして出来上がり。
C・スプリッツァー
氷を入れたグラスにライム1/8個を絞り、白ワインをグラス半分程度まで入れ、ソーダ水を静かに注いでグラスを満たし、マドラーで軽くステアして出来上がり。 |