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果実の知識

清見オレンジ
kiyomi orange
~ゴールデンカップルの結婚によって生まれた夢の柑橘~
清見は、温州みかんとオレンジの交配によって誕生した柑橘。 温州みかんの甘みとオレンジの香りを受け継いだ魅力あふれるフルーツです。
デコポン・ポンカンと並び“平成の三大柑橘”とも呼ばれています。
特徴
果重は200~250g、表面は比較的なめらかです。皮はオレンジよりはむきやすいですが、果実がやわらかいので無理にむくのではなく、ナイフで切って食べるほうがよいかもしれません。 果皮にはオレンジの香り、果肉は温州みかんに似ています。 種子は2~3個入ることもありますが、おおむね種無しです。 果汁は豊富で、甘さと酸味がほどよく調和しています。
誕生にまつわる話
農林水産省の育成品種。
日本人にとって最も身近な「温州みかん」と、世界で一番多く産出されている「オレンジ」を交配させて、夢の柑橘を作り出そうという計画が練られ、1949年(昭和24年)に農水省果樹試験場興津支場(静岡県)で、温州みかんの品種である「宮川早生」とオレンジの品種である「トロビタオレンジ」が交配されました。 できた実生に初めて実が成ったのは1963年(昭和38年)です。 成った果実は非常においしく、1974年(昭和49年)に「興津21号」の名称で全国で試作され、1979年(昭和54年)に「タンゴール農林1号」として登録されました。タンゴールとはみかん類とオレンジ類の雑種の呼び名です。 清見という名前は、誕生地の静岡県清水市興津にある清見潟と、それを見下ろす清見(せいけん)寺というお寺からとられました。
出回り期
2月~5月。 ハウス栽培・露地栽培があり、加温ものは産地によって1月下旬より出回ります。露地は3月下旬~4月。5月には低温貯蔵されていたものが出荷されます。 露地栽培の清見は樹上で越冬させるために一つずつ袋がけをします。これは非常に手間のかかる作業ですが、出荷直前まで採果せず、樹上にて完熟させることでより甘く、おいしくなるのです。
選び方・保存方法
持ってみてずっしりと重量感のあるものを選びましょう。ヘタ枯れ、ヘタ落ちがなく、果皮にツヤがあることもポイントです。
保存は、日の当たらない涼しいところにおいてください。
栄養
ビタミンCが多く、ビタミンA・ビタミンEも含み、また、食物繊維も豊富です。最近注目のβクリプトキサンチンも含まれ、ガン予防への効果が期待されています。 風邪予防・成人病予防・食欲増進・疲労回復・ストレス解消・美肌保持などに効果的なヘルシーフルーツです。
清見の子供たち
清見は、自身の優秀さもさることながら、育種の親としてもすばらしい活躍を見せています。サラブレッドに例えれば、一世を風靡した名馬サンデーサイレンスのような存在。柑橘界も日々新しい品種が誕生していますが、注目株の多くは清見の子供たち、あるいは孫たちです。

○清峰(せいほう)【清見×ミネオラ】
清見の「清」とミネオラの「ミネ(峰)」からこの名がつきました。
果実は扁球形で200g程度。果皮は濃橙色。オレンジに似た香りを持っています。甘味が強く食味良好。種はほとんどできません。

○南風(なんぷう)【清見×フェアチャイルド】
宮崎県農業試験場生まれ。1990年に登録された品種。 果肉はやわらかくて多汁であり、食味良好。ほのかにオレンジの香りがします。

○津之香(つのかおり)【清見×興津早生】
平均の大きさは160gで、清見よりも温州みかんに似た形をしています。皮がむきやすく、食べやすい。果肉もやわらかで非常にジューシーなフルーツです。

○天草(あまくさ)【清見×興津早生×ページ】
果皮はなめらかで赤みが強い。肉質がやわらかで多汁。じょうのう(小袋)も薄くて食べやすいフルーツ。ただし、皮はむきにくいのでナイフでカットして食べるのに適しています。

○デコポン(別名 不知火)【清見×ポンカン】
いまや安定した人気のデコポンです。

○朱見(あけみ)【清見×セミノール】
果皮は赤橙色。糖度が高く食味良好な柑橘。成熟期は3月で、比較的温暖な地域での栽培に向いています。

○陽香(ようこう)【清見×中野3号ポンカン】
甘味が強く、ポンカンによく似た香りがします。果実は大きく種無し。

○西之香(にしのかおり)【清見×トロビタオレンジ】
12月下旬から1月上旬に熟成する品種。西日本の比較的乾燥する地域が栽培に適していることから、西日本の「西」をとり、この名が付きました。 果実は150g~180gで、赤橙色。

○はるみ【清見×ポンカン】
ポンカンとのかけ合わせという点ではデコポンと同じ。1月中旬から2月が旬。ポンカンと同様に皮がむきやすく、種がないので食べやすい品種です。

○あまか【清見×アンコール】
形は温州みかんに似ていて、皮がむきやすく、アンコールの香りが漂います。
果肉の袋はやわらかく、袋ごと食べられます。種は無く、多汁のおいしいフルーツです。

○せとか【清見×アンコール×マーコット】
酸味と甘味がマッチした非常に上品な味わいです。瀬戸内海で開発・栽培されたのでこの名がつきました。温州みかん・オレンジ・アンコール・マーコットの良い部分を受け継いだ、良血品種です。

○はれひめ【E-647(清見×オセオラ)×宮川早生】
皮はやわらかくてむきやすく、さわやかな香りがたちこめる果実。果肉の袋もやわらかく、袋ごと食べられます。果汁も多く、食味良好な柑橘です。

○紅香(べにかおり)【清見×興津早生】
150g~300gの種無し柑橘。 果汁が多く、濃厚な味で食味良好です。
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