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果実の知識

いよかん
タンゴール類
柑橘類(かんきつるい)の中では、みかんに次いで生産量の多いのが伊予柑です。
つやのある濃い橙色。皮はそれなりに厚いですがむきやすく、甘酸っぱい香りが部屋一杯にたちこめます。果肉は柔らかくて果汁は豊富。糖度と酸度のバランスも丁度良く、色・味・香りの三拍子がそろった魅力たっぷりのフルーツです。 起源ははっきりしませんが、ミカン類とオレンジの交配から生まれた雑種で、タンゴールの仲間であろうと考えられています。 原産地は山口県で、明治19年に発見されました。明治25年には穴門(あなど)蜜柑の名で紹介されています。 明治22年、愛媛県松山市持田の三好氏が苗を導入し、栽培を始めたのが愛媛伊予柑の始まりです。当時は伊予蜜柑(いよみかん)と呼ばれていましたが、愛媛産の温州(うんしゅう)みかんと混同されることから、昭和5年に伊予柑と呼ばれるようになりました。
出回り期
11月の終わり頃からお目見えしますが、ピークは1月~3月。年が明けてからの中晩柑類の主力商材です。4月までくだもの売場を彩ります。
中晩柑類の生産量
1月~3月にピークの来る柑橘類を中柑類、3月~6月のものを晩柑類などと言いますが、最近はハウス栽培の発達によって全体的に周期が早まってきており、双方をまとめて「中晩柑類」と称します。
具体的には伊予柑、はっさく、甘夏、サンフルーツ、ネーブル、デコポン、ポンカン、清見オレンジなどがこのグループに入ります。 もともと伊予柑(普通伊予柑)は晩柑類に属しましたが、宮内という品種は中柑類に属します。 中晩柑類の推移では、昭和までは甘夏柑やはっさくが、平成に入ってからは伊予柑がそれぞれ主役をつとめてきました。ここ数年は中晩柑類全体が減少傾向にありますが、デコポンの登場以来、新しい品種が数量を伸ばしており、今後も多品種時代が継続していくものと見られています。
選び方
ヘタが青々としていて、皮の紅色が濃いものが良く、持ってみてズッシリと重量感のあるものを選びましょう。
品種
●勝山伊予柑
早生系の優良品種。出回り期は12月~1月中旬。 昭和51年に松山市の樋口氏の果樹園で宮内伊予柑の枝変わり種が発見され、昭和62年に勝山伊予柑として登録されました。 大玉で種が少なく食べやすいのが特徴。果皮はなめらかで形の美しい品種です。
宮内伊予柑より10日ほど早く着色し、皮もやや薄く、むきやすいと好評です。 酸が抜けるのも早いため、12月から美味しく食べられます。

●宮内伊予柑
出回り期は1月中旬~3月。
昭和30年に松山市の宮内氏の果樹園で発見されたことからこの名がつきました。普通伊予柑の枝変わり品種。 それまでの普通伊予柑よりも扁平な果形で大玉。果皮の色が濃厚で、果肉の量が多く、種も少ないことから高い評価を得ています。

●大谷伊予柑(ダイヤ・オレンジ)
出回り期は2月中旬~3月。
昭和52年、愛媛県北宇和郡の大谷氏の果樹園で発見された枝変わり品種。 果皮が非常になめらかなのが特徴で、他の品種との見分けがつきやすくなっています。
糖度は高く、酸味はやや低め。食味は良好ですが、伊予柑独特の芳香は少ない品種です。

●普通伊予柑
出回り期は3月中旬~4月。
明治19年に山口県で発見され、昭和5年に伊予柑と命名されました。各品種の源といえる存在です。
栄養価
100グラム中にビタミンCが35ミリグラム含まれています。成人が1日に必要なビタミンC量が60~100ミリグラム、伊予柑1個の重量が220グラム~280グラムですから、1日に1個食べれば丁度1日必要な量を摂取できる計算になります。 また、伊予柑に含まれるビタミンP、カリウム、クエン酸なども健康上はとても大事な成分です。なかでもカリウムは水に溶けやすいので、生で食べることの多い柑橘類から摂取するのが理想です。カリウムにはナトリウムを中和する働きがあります。

塩分の取りすぎに
昔から日本人は塩分の取りすぎによる高血圧に悩まされてきました。また、お酒を飲む人は舌が鈍感になり塩分の取りすぎになりやすく、子供達はスナック菓子などから必要以上の塩分をとってしまっています。このような状態を避けるためにも伊予柑を食べることは非常に有意義です。
レシピ
伊予柑のマーマレード
材料
いよかん5個 グラニュー糖1kg
①よく洗った後に皮をむき、皮を細く切る。
②切った皮を鍋で煮る。(あくを出す)
③煮えてきたら再び水で洗い、水気を切る。
④伊予柑の実(ふくろもむいたもの)、皮、を鍋に入れ、少しずつグラニュー糖を入れながら1時間程度弱火で煮る。
⑤てりがでてきたら完成。
⑥びんに入れて冷蔵庫で保存する。
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